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ウマ娘のホッコータルマエちゃん (161)

1 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:44:39.44 ID:k8JdZM8h
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かわいい

※前スレ
ウマ娘のワンダーアキュートちゃん
http://hayabusa4.3chan.jp/test/read.cgi/livegalileo/1674721017/
ウマ娘のギャラリーキーちゃん
http://hayabusa4.3chan.jp/test/read.cgi/livegalileo/1674793478/
※実況スレ
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※自演防止@jien
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※バルサン(未認証時書込禁止)
※実況スレ
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2 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:44:57.46 ID:5393610b0E-5692-5f66主
!バルサン

3 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:45:49.30 ID:5393610b0E-5692-5f66主
いちおう
ウマ娘の避難所ちゃん
http://hayabusa4.3chan.jp/test/read.cgi/liveuranus/1674720353/

4 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 4b80-53b5) 2023/01/28(土) 10:46:16.36 ID:14a5e1da0C-8ae0-fcdb
サンイチ

5 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:46:32.29 ID:5393610b0E-5692-5f66主
バルサン避けについてはここ見てね

【重要】日付が変わったらCAPTCHA認証しよう
http://hayabusa4.3chan.jp/test/read.cgi/livegalileo/1674831840/

6 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 4ba2-63b2) 2023/01/28(土) 10:46:53.70 ID:7e2ae10f07-1ce8-56fd
これでええんか

7 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 4b80-53b5) 2023/01/28(土) 10:47:28.29 ID:14a5e1da0C-8ae0-fcdb
スクリプトのスピード地獄みたいにおそいな

8 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 3db1-8bc2) 2023/01/28(土) 10:47:31.93 ID:8488083c09-ca87-2246
てす

9 それでも動く名無し@転載禁止 (ラクッペペ MM5c-5a50) 2023/01/28(土) 10:48:25.04 ID:32173e10M5-8ea3-819a
いけるか?

10 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 3db1-8bc2) 2023/01/28(土) 10:48:25.52 ID:8488083c09-ca87-2246
>>7
あれ手動じゃないの

11 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 8497-f41c) 2023/01/28(土) 10:48:28.04 ID:7e48220b07-832a-a5d2
いけるか?

12 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 8f8c-27a6) 2023/01/28(土) 10:48:39.44 ID:ba13012a02-3718-06d6
てすや

13 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ b65f-6d45) 2023/01/28(土) 10:48:27.52 ID:15ef4bf807-0e13-6f51
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

14 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ a834-1157) 2023/01/28(土) 10:48:29.10 ID:a78f890403-9dc5-1e97
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

15 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 5c83-3a0e) 2023/01/28(土) 10:48:29.85 ID:1587379c17-53b7-af81
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

16 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ a3d7-2746) 2023/01/28(土) 10:48:40.83 ID:a78f970403-c428-d410
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

17 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 4ba2-63b2) 2023/01/28(土) 10:48:52.32 ID:7e2ae10f07-1ce8-56fd
手動で荒らしとか狂気やろ

18 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 1e0c-8563) 2023/01/28(土) 10:48:52.04 ID:4050cdf409-349f-60e1
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

19 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ ec3c-c452) 2023/01/28(土) 10:49:02.29 ID:15eff0f807-6124-7c12
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

20 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 2772-ef25) 2023/01/28(土) 10:49:03.17 ID:4050f8f409-67d8-a836
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

21 それでも動く名無し@転載禁止 (スプッッ Sd09-e861) 2023/01/28(土) 10:49:04.22 ID:98f7bd70d0-6af4-48e3
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

22 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 6536-7541) 2023/01/28(土) 10:49:05.61 ID:40504af409-7b58-2d17
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

23 それでも動く名無し@転載禁止 (スプッッ Sd36-34b1) 2023/01/28(土) 10:49:09.29 ID:cef7bd65d0-792e-fac8
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

24 それでも動く名無し@転載禁止 (スプッッ Sd9a-c68a) 2023/01/28(土) 10:49:10.06 ID:5f8dbd05d0-98a2-e594
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

25 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:49:22.15 ID:5393610b0E-5692-5f66主
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26 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 48a5-39d2) 2023/01/28(土) 10:49:10.96 ID:1587379c17-35b6-26e8
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

27 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 6d7a-dafe) 2023/01/28(土) 10:49:27.76 ID:d1c2f77a0A-7fe3-af99
>>10
腹筋スレなら死んでたな

28 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 9649-2689) 2023/01/28(土) 10:49:11.88 ID:40501cf409-4a5d-43b7
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

29 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 894d-2608) 2023/01/28(土) 10:49:12.25 ID:4050f7f409-8c6a-203c
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

30 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:49:35.94 ID:5393610b0E-5692-5f66主
あー連投規制外すとこうなるか

31 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 83f7-200c) 2023/01/28(土) 10:49:13.11 ID:1587379c17-3871-feca
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

32 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 5d8a-8070) 2023/01/28(土) 10:49:13.98 ID:405086f409-ad25-e1ac
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

33 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 4674-6647) 2023/01/28(土) 10:49:14.49 ID:1587379c17-d483-0ca6
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

34 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 9754-1287) 2023/01/28(土) 10:49:15.06 ID:4050d4f409-21a0-0e3c
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

35 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 12c1-3124) 2023/01/28(土) 10:49:15.56 ID:1587379c17-f158-d40c
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

36 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ c1fa-3774) 2023/01/28(土) 10:49:16.02 ID:15ef4ef807-6189-4da0
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

37 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW ec77-962a) 2023/01/28(土) 10:49:16.54 ID:1587379c17-db13-0918
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

38 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 3847-ec65) 2023/01/28(土) 10:49:17.06 ID:15ef4ef807-574b-4c13
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

39 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ e0b1-db52) 2023/01/28(土) 10:49:17.41 ID:a78f520403-213e-467f
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

40 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 0512-0c93) 2023/01/28(土) 10:49:17.85 ID:a78fcb0403-d23a-4507
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

41 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 5234-a241) 2023/01/28(土) 10:49:18.33 ID:40500ef409-fa80-c804
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

42 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 6e71-8829) 2023/01/28(土) 10:49:18.83 ID:15ef98f807-9f7d-e2fb
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

43 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ d85c-a338) 2023/01/28(土) 10:49:20.27 ID:a78f8f0403-3da2-d693
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

44 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 7b04-272c) 2023/01/28(土) 10:49:20.99 ID:40503ff409-cf1d-a769
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

45 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW e7f0-9704) 2023/01/28(土) 10:49:21.64 ID:1587379c17-051b-d2f8
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

46 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW a3ff-1707) 2023/01/28(土) 10:51:26.64 ID:04100ffe0C-f7f6-fb28
おっそw

47 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 2c0c-966d) 2023/01/28(土) 10:49:22.12 ID:a78f320403-289c-8de6
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

48 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 0752-6ada) 2023/01/28(土) 10:49:22.57 ID:4050def409-a9e5-7ab1
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

49 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW b9dd-8dc9) 2023/01/28(土) 10:51:48.29 ID:7e9f589517-0e2e-96f6
ここでええんよな
今日はぱかライブや

50 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 8661-7699) 2023/01/28(土) 10:49:23.57 ID:15ef0ef807-4209-648d
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

51 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 3db1-8bc2) 2023/01/28(土) 10:51:55.81 ID:8488083c09-ca87-2246
手動でやってるの想像したら草

52 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 5226-b52c) 2023/01/28(土) 10:49:24.18 ID:4050cbf409-c2e1-54fe
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

53 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:52:05.96 ID:5393610b0E-5692-5f66主
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てす

54 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 79a6-6729) 2023/01/28(土) 10:49:24.74 ID:15efcff807-1a58-2b01
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

55 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 54e7-ce94) 2023/01/28(土) 10:49:25.52 ID:a78fa90403-2576-649e
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

56 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 56b9-e299) 2023/01/28(土) 10:50:29.38 ID:15efe8f807-5042-98bd
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

57 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ b1ae-5aa6) 2023/01/28(土) 10:50:29.92 ID:15efadf807-a73e-4580
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

58 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ c5a3-693b) 2023/01/28(土) 10:50:31.34 ID:4050e9f409-6e1c-69d5
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

59 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 5925-8536) 2023/01/28(土) 10:50:31.84 ID:a78f870403-f951-5062
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

60 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW fcff-707a) 2023/01/28(土) 10:53:12.53 ID:848eb4fe09-4e29-1f78
おっそ

61 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW de65-2873) 2023/01/28(土) 10:53:13.37 ID:725a984506-40c4-ae45
おっそ

62 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ efaf-1445) 2023/01/28(土) 10:50:31.94 ID:15ef5cf807-0ce1-a6cb
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

63 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 4b0a-289b) 2023/01/28(土) 10:50:31.95 ID:1587379c17-3eb0-fe76
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

64 それでも動く名無し@転載禁止 (スプッッ Sd58-8d9b) 2023/01/28(土) 10:50:31.97 ID:d549bd05d0-1c9a-8b6a
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

65 それでも動く名無し@転載禁止 (スプッッ Sd95-7093) 2023/01/28(土) 10:50:32.01 ID:9e49bd65d0-9213-6917
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

66 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ b2c6-9ab2) 2023/01/28(土) 10:51:53.56 ID:a78fd70403-25b8-3902
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

67 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 6592-bd86) 2023/01/28(土) 10:51:53.27 ID:1587379c17-c364-9fd0
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

68 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 7621-f275) 2023/01/28(土) 10:51:53.43 ID:15ef59f807-13b8-e926
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

69 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 9a29-347b) 2023/01/28(土) 10:51:53.24 ID:4050e5f409-a168-782a
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

70 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 13f2-819d) 2023/01/28(土) 10:54:43.54 ID:bad904f312-4017-2299
あとたった930で埋め立てられるぞ手動で頑張れよw

71 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 126d-a2f7) 2023/01/28(土) 10:51:53.76 ID:a78f310403-f31e-8ec0
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

72 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 1040-294c) 2023/01/28(土) 10:51:53.20 ID:a78f2d0403-0c62-1549
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

73 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 2eee-e80d) 2023/01/28(土) 10:51:53.16 ID:1587379c17-c815-0fb7
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

74 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 5523-6078) 2023/01/28(土) 10:51:53.56 ID:15efb7f807-cbfa-218d
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

75 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 8f8c-27a6) 2023/01/28(土) 10:55:44.19 ID:ba13012a02-3718-06d6
ほんまに遅くて草

76 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 4cf0-1aea) 2023/01/28(土) 10:51:53.26 ID:40502af409-06c5-580c
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

77 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 5a30-092a) 2023/01/28(土) 10:53:47.26 ID:1587379c17-f1a7-c201
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

78 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ d103-292d) 2023/01/28(土) 10:53:49.98 ID:4050d3f409-a0d3-d7f3
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

79 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 458b-b146) 2023/01/28(土) 10:53:50.35 ID:1587379c17-1246-07a4
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

80 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 01fa-5d74) 2023/01/28(土) 10:53:52.73 ID:a78fc00403-3e42-c6ed
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

81 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 6854-e6d2) 2023/01/28(土) 10:53:58.43 ID:1587379c17-da27-74f8
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

82 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ a856-0cd6) 2023/01/28(土) 10:53:58.91 ID:405010f409-1e7d-26cd
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

83 それでも動く名無し@転載禁止 (ラクッペペ MM5c-5a50) 2023/01/28(土) 10:57:36.59 ID:32173e10M5-8ea3-819a
FAXってハゲてるから知能も低いんやろ?

84 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW b9dd-8dc9) 2023/01/28(土) 10:57:48.30 ID:7e9f589517-0e2e-96f6
なんで手動でやってるんや?
自動にすればいいのに…

85 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 4064-60d4) 2023/01/28(土) 10:53:59.44 ID:1587379c17-7250-9d8f
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

86 それでも動く名無し@転載禁止 (スプッッ Sd4d-2d5e) 2023/01/28(土) 10:58:05.97 ID:09483f5bd4-5b92-0096
長文表示されないからめっちゃスッキリ見えるわ

87 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7108-26fd) 2023/01/28(土) 10:54:00.33 ID:1587379c17-1b0c-b5ce
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

88 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 6af0-1b28) 2023/01/28(土) 10:54:00.57 ID:40506ef409-28b6-e5a0
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

89 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 087a-8481) 2023/01/28(土) 10:54:01.15 ID:a78fe80403-50a8-d982
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

90 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7852-27a6) 2023/01/28(土) 10:58:55.76 ID:348d1dfa13-c4ea-06d6
テスト

91 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 5810-d592) 2023/01/28(土) 10:54:01.98 ID:40500af409-8a3e-126b
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

92 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 7397-4475) 2023/01/28(土) 10:59:18.47 ID:5393610b0E-5692-5f66主
これ何やってるかというと速度で埋めれんから容量で埋めようとしてるんや

93 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 6a90-6344) 2023/01/28(土) 10:54:02.71 ID:15efdcf807-5b10-ef19
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

94 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 9dea-e348) 2023/01/28(土) 10:59:45.48 ID:624b436b12-a48e-2c21
FAXの場合って氷河期だろうがなんだろうが就職出来へんやろ
こんなガイジ会社が雇うわけないやん
だって車の免許すら取れんやつやで?

95 それでも動く名無し@転載禁止 (スプッッ Sd51-d626) 2023/01/28(土) 10:54:03.62 ID:098dbd70d0-f05a-02cb
おれは校長の言葉を聞いて、なるほど校長だの狸だのと云うものは、えらい事を云うもんだと感心した。こう校長が何もかも責任を受けて、自分の咎とがだとか、不徳だとか云うくらいなら、生徒を処分するのは、やめにして、自分から先へ免職めんしょくになったら、よさそうなもんだ。そうすればこんな面倒めんどうな会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ。第一常識から云いっても分ってる。おれが大人しく宿直をする。生徒が乱暴をする。わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに極きまってる。もし山嵐が煽動せんどうしたとすれば、生徒と山嵐を退治たいじればそれでたくさんだ。人の尻しりを自分で背負しょい込こんで、おれの尻だ、おれの尻だと吹き散らかす奴が、どこの国にあるもんか、狸でなくっちゃ出来る芸当じゃない。彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて、得意気に一同を見廻した。ところが誰も口を開くものがない。博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている。漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり、延ばしたりしてる。山嵐はまだおれの顔をにらめている。会議と云うものが、こんな馬鹿気ばかげたものなら、欠席して昼寝でもしている方がましだ。
 おれは、じれったくなったから、一番大いに弁じてやろうと思って、半分尻をあげかけたら、赤シャツが何か云い出したから、やめにした。見るとパイプをしまって、縞しまのある絹ハンケチで顔をふきながら、何か云っている。あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない。男は白い麻あさを使うもんだ。「私も寄宿生の乱暴を聞いてはなはだ教頭として不行届ふゆきとどきであり、かつ平常の徳化が少年に及ばなかったのを深く慚はずるのであります。でこう云う事は、何か陥欠かんけつがあると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのは、かえって未来のためによくないかとも思われます。かつ少年血気のものであるから活気があふれて、善悪の考えはなく、半ば無意識にこんな悪戯いたずらをやる事はないとも限らん。でもとより処分法は校長のお考えにある事だから、私の容喙ようかいする限りではないが、どうかその辺をご斟酌しんしゃくになって、なるべく寛大なお取計とりはからいを願いたいと思います」
 なるほど狸が狸なら、赤シャツも赤シャツだ。生徒があばれるのは、生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している。気狂きちがいが人の頭を撲なぐり付けるのは、なぐられた人がわるいから、気狂がなぐるんだそうだ。難有ありがたい仕合せだ。活気にみちて困るなら運動場へ出て相撲すもうでも取るがいい、半ば無意識に床の中へバッタを入れられてたまるものか。この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても、半ば無意識だって放免するつもりだろう。
 おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが、云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらない、おれの癖として、腹が立ったときに口をきくと、二言か三言で必ず行き塞つまってしまう。狸でも赤シャツでも人物から云うと、おれよりも下等だが、弁舌はなかなか達者だから、まずい事を喋舌しゃべって揚足あげあしを取られちゃ面白くない。ちょっと腹案を作ってみようと、胸のなかで文章を作ってる。すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた。野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ。野だは例のへらへら調で「実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をして、ひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして、吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて、全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯綮こうけいに中あたった剴切がいせつなお考えで私は徹頭徹尾てっとうてつび賛成致します。どうかなるべく寛大かんだいのご処分を仰あおぎたいと思います」と云った。野だの云う事は言語はあるが意味がない、漢語をのべつに陳列ちんれつするぎりで訳が分らない。分ったのは徹頭徹尾賛成致しますと云う言葉だけだ。
 おれは野だの云う意味は分らないけれども、何だか非常に腹が立ったから、腹案も出来ないうちに起たち上がってしまった。「私は徹頭徹尾反対です……」と云ったがあとが急に出て来ない。「……そんな頓珍漢とんちんかんな、処分は大嫌だいきらいです」とつけたら、職員が一同笑い出した。「一体生徒が全然悪わるいです。どうしても詫あやまらせなくっちゃ、癖になります。退校さしても構いません。……何だ失敬な、新しく来た教師だと思って……」と云って着席した。すると右隣りに居る博物が「生徒がわるい事も、わるいが、あまり厳重な罰などをするとかえって反動を起していけないでしょう。やっぱり教頭のおっしゃる通り、寛な方に賛成します」と弱い事を云った。左隣の漢学は穏便説おんびんせつに賛成と云った。歴史も教頭と同説だと云った。忌々いまいましい、大抵のものは赤シャツ党だ。こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない。おれは生徒をあやまらせるか、辞職するか二つのうち一つに極めてるんだから、もし赤シャツが勝ちを制したら、早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた。どうせ、こんな手合てあいを弁口べんこうで屈伏くっぷくさせる手際はなし、させたところでいつまでご交際を願うのは、こっちでご免だ。学校に居ないとすればどうなったって構うもんか。また何か云うと笑うに違いない。だれが云うもんかと澄すましていた。
 すると今までだまって聞いていた山嵐が奮然として、起ち上がった。野郎また赤シャツ賛成の意を表するな、どうせ、貴様とは喧嘩だ、勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で「私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうしを軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとより外ほかには認められんのであります。教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います。某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事で、まだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります。この短かい二十日間において生徒は君の学問人物を評価し得る余地がないのであります。軽侮されべき至当な理由があって、軽侮を受けたのなら生徒の行為に斟酌しんしゃくを加える理由もありましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄ぐろうするような軽薄な生徒を寛仮かんかしては学校の威信いしんに関わる事と思います。教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、高尚こうしょうな、正直な、武士的な元気を鼓吹こすいすると同時に、野卑やひな、軽躁けいそうな、暴慢ぼうまんな悪風を掃蕩そうとうするにあると思います。もし反動が恐おそろしいの、騒動が大きくなるのと姑息こそくな事を云った日にはこの弊風へいふうはいつ矯正きょうせい出来るか知れません。かかる弊風を杜絶とぜつするためにこそ吾々はこの学校に職を奉じているので、これを見逃みのがすくらいなら始めから教師にならん方がいいと思います。私は以上の理由で寄宿生一同を厳罰げんばつに処する上に、当該とうがい教師の面前において公けに謝罪の意を表せしむるのを至当の所置と心得ます」と云いながら、どんと腰こしを卸おろした。一同はだまって何にも言わない。赤シャツはまたパイプを拭ふき始めた。おれは何だか非常に嬉うれしかった。おれの云おうと思うところをおれの代りに山嵐がすっかり言ってくれたようなものだ。おれはこう云う単純な人間だから、今までの喧嘩はまるで忘れて、大いに難有ありがたいと云う顔をもって、腰を卸した山嵐の方を見たら、山嵐は一向知らん面かおをしている。
 しばらくして山嵐はまた起立した。「ただ今ちょっと失念して言い落おとしましたから、申します。当夜の宿直員は宿直中外出して温泉に行かれたようであるが、あれはもっての外の事と考えます。いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら、咎とがめる者のないのを幸さいわいに、場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である。生徒は生徒として、この点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します」
 妙な奴だ、ほめたと思ったら、あとからすぐ人の失策をあばいている。おれは何の気もなく、前の宿直が出あるいた事を知って、そんな習慣だと思って、つい温泉まで行ってしまったんだが、なるほどそう云われてみると、これはおれが悪るかった。攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」と云って着席したら、一同がまた笑い出した。おれが何か云いさえすれば笑う。つまらん奴等やつらだ。貴様等これほど自分のわるい事を公けにわるかったと断言出来るか、出来ないから笑うんだろう。
 それから校長は、もう大抵ご意見もないようでありますから、よく考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじい、おれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった。それはあとから話すが、校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った。生徒の風儀ふうぎは、教師の感化で正していかなくてはならん、その一着手として、教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい。もっとも送別会などの節は特別であるが、単独にあまり上等でない場所へ行くのはよしたい――たとえば蕎麦屋そばやだの、団子屋だんごやだの――と云いかけたらまた一同が笑った。野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった。いい気味きびだ。
 おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分らないが、蕎麦屋や団子屋へ行って、中学の教師が勤まらなくっちゃ、おれみたような食い心棒しんぼうにゃ到底とうてい出来っ子ないと思った。それなら、それでいいから、初手から蕎麦と団子の嫌いなものと注文して雇やとうがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお布令ふれを出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。すると赤シャツがまた口を出した。「元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして、単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない。その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる。しかし人間だから、何か娯楽ごらくがないと、田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない。それで釣つりに行くとか、文学書を読むとか、または新体詩や俳句を作るとか、何でも高尚こうしょうな精神的娯楽を求めなくってはいけない……」
 だまって聞いてると勝手な熱を吹く。沖おきへ行って肥料こやしを釣ったり、ゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり、馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり、古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら、天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ。そんな下さらない娯楽を授けるより赤シャツの洗濯せんたくでもするがいい。あんまり腹が立ったから「マドンナに逢あうのも精神的娯楽ですか」と聞いてやった。すると今度は誰も笑わない。妙な顔をして互たがいに眼と眼を見合せている。赤シャツ自身は苦しそうに下を向いた。それ見ろ。利いたろう。ただ気の毒だったのはうらなり君で、おれが、こう云ったら蒼い顔をますます蒼くした。

96 それでも動く名無し@転載禁止 (スッップ Sdbb-dd10) 2023/01/28(土) 10:59:57.10 ID:fe6159badB-e1ad-f190
てす

97 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ a248-366b) 2023/01/28(土) 10:54:03.80 ID:40500af409-9f48-f53b
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

98 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイ 63f1-ad7e) 2023/01/28(土) 10:54:05.02 ID:15efc1f807-36b8-94fe
おれが椽鼻で清の手紙をひらつかせながら、考え込こんでいると、しきりの襖ふすまをあけて、萩野のお婆さんが晩めしを持ってきた。まだ見てお出いでるのかなもし。えっぽど長いお手紙じゃなもし、と云ったから、ええ大事な手紙だから風に吹かしては見、吹かしては見るんだと、自分でも要領を得ない返事をして膳ぜんについた。見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ。ここのうちは、いか銀よりも鄭寧ていねいで、親切で、しかも上品だが、惜おしい事に食い物がまずい。昨日も芋、一昨日おとといも芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、こう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない。うらなり君を笑うどころか、おれ自身が遠からぬうちに、芋のうらなり先生になっちまう。清ならこんな時に、おれの好きな鮪まぐろのさし身か、蒲鉾かまぼこのつけ焼を食わせるんだが、貧乏びんぼう士族のけちん坊ぼうと来ちゃ仕方がない。どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ。もしあの学校に長くでも居る模様なら、東京から召よび寄よせてやろう。天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない、団子を食っちゃならない、それで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて、教育者はつらいものだ。禅宗ぜんしゅう坊主だって、これよりは口に栄耀えようをさせているだろう。――おれは一皿の芋を平げて、机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して、茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割って、ようやく凌しのいだ。生卵ででも営養をとらなくっちあ一週二十一時間の授業が出来るものか。
 今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった。しかし毎日行きつけたのを一日でも欠かすのは心持ちがわるい。汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。ベンチへ腰を懸けて、敷島しきしまを吹かしていると、偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た。おれはさっきの話を聞いてから、うらなり君がなおさら気の毒になった。平常ふだんから天地の間に居候いそうろうをしているように、小さく構えているのがいかにも憐あわれに見えたが、今夜は憐れどころの騒さわぎではない。出来るならば月給を倍にして、遠山のお嬢さんと明日あしたから結婚けっこんさして、一ヶ月ばかり東京へでも遊びにやってやりたい気がした矢先だから、やお湯ですか、さあ、こっちへお懸けなさいと威勢いせいよく席を譲ゆずると、うらなり君は恐おそれ入った体裁で、いえ構かもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。少し待たなくっちゃ出ません、草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた。実はどうかして、そばへ懸けてもらいたかったくらいに気の毒でたまらない。それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた。世の中には野だみたように生意気な、出ないで済む所へ必ず顔を出す奴もいる。山嵐のようにおれが居なくっちゃ日本にっぽんが困るだろうと云うような面を肩かたの上へ載のせてる奴もいる。そうかと思うと、赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある。教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる。皆々みなみなそれ相応に威張ってるんだが、このうらなり先生のように在れどもなきがごとく、人質に取られた人形のように大人おとなしくしているのは見た事がない。顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに靡なびくなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な旦那様だんなさまが出来るもんか。
「あなたはどっか悪いんじゃありませんか。大分たいぎそうに見えますが……」「いえ、別段これという持病もないですが……」
「そりゃ結構です。からだが悪いと人間も駄目ですね」
「あなたは大分ご丈夫じょうぶのようですな」
「ええ瘠やせても病気はしません。病気なんてものあ大嫌いですから」
 うらなり君は、おれの言葉を聞いてにやにやと笑った。
 ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから、何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た。色の白い、ハイカラ頭の、背の高い美人と、四十五六の奥さんとが並ならんで切符きっぷを売る窓の前に立っている。おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない。何だか水晶すいしょうの珠たまを香水こうすいで暖あっためて、掌てのひらへ握にぎってみたような心持ちがした。年寄の方が背は低い。しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う途端とたんに、うらなり君の事は全然すっかり忘れて、若い女の方ばかり見ていた。すると、うらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから、立ち上がって、そろそろ女の方へ歩き出したんで、少し驚いた。マドンナじゃないかと思った。三人は切符所の前で軽く挨拶している。遠いから何を云ってるのか分らない。
 停車場の時計を見るともう五分で発車だ。早く汽車がくればいいがなと、話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っていると、また一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある。見れば赤シャツだ。何だかべらべら然たる着物へ縮緬ちりめんの帯をだらしなく巻き付けて、例の通り金鎖きんぐさりをぶらつかしている。あの金鎖りは贋物にせものである。赤シャツは誰だれも知るまいと思って、見せびらかしているが、おれはちゃんと知ってる。赤シャツは馳け込んだなり、何かきょろきょろしていたが、切符売下所うりさげじょの前に話している三人へ慇懃いんぎんにお辞儀じぎをして、何か二こと、三こと、云ったと思ったら、急にこっちへ向いて、例のごとく猫足ねこあしにあるいて来て、や君も湯ですか、僕は乗り後れやしないかと思って心配して急いで来たら、まだ三四分ある。あの時計はたしかかしらんと、自分の金側きんがわを出して、二分ほどちがってると云いながら、おれの傍そばへ腰を卸おろした。女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて、正面ばかり眺ながめている。年寄の婦人は時々赤シャツを見るが、若い方は横を向いたままである。いよいよマドンナに違いない。
 やがて、ピューと汽笛きてきが鳴って、車がつく。待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む。赤シャツはいの一号に上等へ飛び込んだ。上等へ乗ったって威張れるどころではない、住田すみたまで上等が五銭で下等が三銭だから、わずか二銭違いで上下の区別がつく。こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる。もっとも田舎者はけちだから、たった二銭の出入でもすこぶる苦になると見えて、大抵たいていは下等へ乗る。赤シャツのあとからマドンナとマドンナのお袋が上等へはいり込んだ。うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ。先生、下等の車室の入口へ立って、何だか躊躇ちゅうちょの体ていであったが、おれの顔を見るや否や思いきって、飛び込んでしまった。おれはこの時何となく気の毒でたまらなかったから、うらなり君のあとから、すぐ同じ車室へ乗り込んだ。上等の切符で下等へ乗るに不都合はなかろう。
 温泉へ着いて、三階から、浴衣ゆかたのなりで湯壺ゆつぼへ下りてみたら、またうらなり君に逢った。おれは会議や何かでいざと極まると、咽喉のどが塞ふさがって饒舌しゃべれない男だが、平常ふだんは随分ずいぶん弁ずる方だから、いろいろ湯壺のなかでうらなり君に話しかけてみた。何だか憐れぽくってたまらない。こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは、江戸えどっ子の義務だと思ってる。ところがあいにくうらなり君の方では、うまい具合にこっちの調子に乗ってくれない。何を云っても、えとかいえとかぎりで、しかもそのえといえが大分面倒めんどうらしいので、しまいにはとうとう切り上げて、こっちからご免蒙めんこうむった。
 湯の中では赤シャツに逢わなかった。もっとも風呂ふろの数はたくさんあるのだから、同じ汽車で着いても、同じ湯壺で逢うとは極まっていない。別段不思議にも思わなかった。風呂を出てみるといい月だ。町内の両側に柳やなぎが植うわって、柳の枝えだが丸まるい影を往来の中へ落おとしている。少し散歩でもしよう。北へ登って町のはずれへ出ると、左に大きな門があって、門の突き当りがお寺で、左右が妓楼ぎろうである。山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて、前代未聞の現象だ。ちょっとはいってみたいが、また狸から会議の時にやられるかも知れないから、やめて素通りにした。門の並びに黒い暖簾のれんをかけた、小さな格子窓こうしまどの平屋はおれが団子を食って、しくじった所だ。丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこ、お雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって、提灯の火が、軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている。食いたいなと思ったが我慢して通り過ぎた。
 食いたい団子の食えないのは情ない。しかし自分の許嫁いいなずけが他人に心を移したのは、なお情ないだろう。うらなり君の事を思うと、団子は愚おろか、三日ぐらい断食だんじきしても不平はこぼせない訳だ。本当に人間ほどあてにならないものはない。あの顔を見ると、どうしたって、そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で、冬瓜とうがんの水膨みずぶくれのような古賀さんが善良な君子なのだから、油断が出来ない。淡泊たんぱくだと思った山嵐は生徒を煽動せんどうしたと云うし。生徒を煽動したのかと思うと、生徒の処分を校長に逼せまるし。厭味いやみで練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに余所よそながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを胡魔化ごまかしたり、胡魔化したのかと思うと、古賀の方が破談にならなければ結婚は望まないんだと云うし。いか銀が難癖なんくせをつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が入いれ替かわったり――どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。箱根はこねの向うだから化物ばけものが寄り合ってるんだと云うかも知れない。おれは、性来しょうらい構わない性分だから、どんな事でも苦にしないで今日まで凌いで来たのだが、ここへ来てからまだ一ヶ月立つか、立たないうちに、急に世のなかを物騒ぶっそうに思い出した。別段際だった大事件にも出逢わないのに、もう五つ六つ年を取ったような気がする。早く切り上げて東京へ帰るのが一番よかろう。などとそれからそれへ考えて、いつか石橋を渡わたって野芹川のぜりがわの堤どてへ出た。川と云うとえらそうだが実は一間ぐらいな、ちょろちょろした流れで、土手に沿うて十二丁ほど下ると相生村あいおいむらへ出る。村には観音様かんのんさまがある。
 温泉ゆの町を振り返ると、赤い灯が、月の光の中にかがやいている。太鼓たいこが鳴るのは遊廓に相違ない。川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに人影ひとかげが見え出した。月に透すかしてみると影は二つある。温泉ゆへ来て村へ帰る若い衆しゅかも知れない。それにしては唄うたもうたわない。存外静かだ。
 だんだん歩いて行くと、おれの方が早足だと見えて、二つの影法師が、次第に大きくなる。一人は女らしい。おれの足音を聞きつけて、十間ぐらいの距離きょりに逼った時、男がたちまち振り向いた。月は後うしろからさしている。その時おれは男の様子を見て、はてなと思った。男と女はまた元の通りにあるき出した。おれは考えがあるから、急に全速力で追っ懸かけた。先方は何の気もつかずに最初の通り、ゆるゆる歩を移している。今は話し声も手に取るように聞える。土手の幅は六尺ぐらいだから、並んで行けば三人がようやくだ。おれは苦もなく後ろから追い付いて、男の袖そでを擦すり抜ぬけざま、二足前へ出した踵くびすをぐるりと返して男の顔を覗のぞき込こんだ。月は正面からおれの五分刈がりの頭から顋の辺あたりまで、会釈えしゃくもなく照てらす。男はあっと小声に云ったが、急に横を向いて、もう帰ろうと女を促うながすが早いか、温泉ゆの町の方へ引き返した。
 赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り損そくなったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。

99 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 0703-0728) 2023/01/28(土) 10:54:05.17 ID:1587379c17-ae24-2781
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない
唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子とうなすのうらなり君が来ていないおれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていて唐茄子
会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

100 それでも動く名無し@転載禁止 (ワッチョイW 6f83-128d) 2023/01/28(土) 11:01:02.56 ID:a2da7aad1D-b1f6-bf54
今高校生ですら免許とれるのに…

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