なるほど告知欄じゃねーの

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レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。

K5イナゴハンターとかいう奴に埋め立て依頼したら掘られたんだが (999)

誹謗中傷の相談があって訪ねたら
K5さんにいきなりケツ出してって言われて掘られました

他にも薬物らしきものを渡されました

おれは芋は大好きだと明言したには相違ないがこう立てつづけに芋を食わされては命がつづかない

赤シャツさんも赤シャツさんじゃがお嬢さんもお嬢さんじゃててみんなが悪わるく云いますのよ

憚はばかりながら男だ

赤シャツは時々帝国文学とかいう真赤まっかな雑誌を学校へ持って来て難有ありがたそうに読んでいる

>>183
待ち合せた連中はぞろぞろ吾われ勝がちに乗り込む

>>461
清は時々台所で人の居ない時に「あなたは真まっ直すぐでよいご気性だ」と賞ほめる事が時々あった

使った時点で敗北定期

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おれだって人間だ教頭ひとりで借り切った海じゃあるまいし

>>592
こんな時にはどうしていいかさっぱりわからない

>>990
どうするか見ろと済すまして顔を洗って部屋へ帰って待ってると夕べの下女が膳を持って来た

>>25
分らんでも困らない

おれは別に恥はずかしい事をした覚えはないんだから立ち上がりながら部屋中一通り見巡みまわしてやった

おれはこう決心をしたから廊下の真中へあぐらをかいて夜のあけるのを待っていた

>>371
あんまり喜んでもいないでしょういえお世辞じゃない

兄がおやじに言付いつけた

取らない法があるか

教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる

>>801
それを思うと清きよなんてのは見上げたものだ

商買をしたって面倒めんどくさくって旨うまく出来るものじゃなしことに六百円の金で商買らしい商買がやれる訳でもなかろう

――さあなぜこんないたずらをしたか云え

その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる

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どうも始末に終えない

それにしてももう返事がきそうなものだが――おれはこんな事ばかり考えて二三日暮していた

いったん古賀さんへ嫁に行くてて承知をしときながら今さら学士さんがお出いでたけれその方に替かえよててそれじゃ今日様こんにちさまへ済むまいがなもしあなた

返さないんだ

やな奴だ

いい心持ちである

丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこお雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって提灯の火が軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている

>>524

風流人なんていうものは画えを見ても頭巾ずきんを被かぶるか短冊たんざくを持ってるものだ

>>717
おれの大きな眼めが貴様も喧嘩をするつもりかと云う権幕で野だの干瓢かんぴょうづらを射貫いぬいた時に野だは突然とつぜん真面目な顔をして大いにつつしんだ

時計を見ると十時半だ

　ここいらがいいだろうと船頭は船をとめて錨いかりを卸した

>>879
よくまああんなにずうずうしく出来るものだ

二時間目にもきっと何かあると思うと遊廓の団子旨い旨いと書いてある

>>232
今夜はマドンナの君にお逢あいですかと野だが云う

そのうち喇叭が鳴る

>>498
元来中学の教師なぞは社会の上流にくらいするものだからして単に物質的の快楽ばかり求めるべきものでない

さっきぶつけた向脛を撫なでてみると何だかぬらぬらする

>>165
へえ不思議なもんですね

仕方がないからまた布団の上へ坐すわって煤掃すすはきの時に蓙ござを丸めて畳たたみを叩たたくようにそこら近辺を無暗にたたいた

>>439
おれはこれでも学資のあまりを三十円ほど懐ふところに入れて東京を出て来たのだ

>>716
　おれはじれったくなったから一番大いに弁じてやろうと思って半分尻をあげかけたら赤シャツが何か云い出したからやめにした

なんか末尾Mだけ異常に被ってるな

おれは黙ってた

おれがはいったのを見てみんな申し合せたようにおれの顔を見た

>>470
夜よはとうにあけている

いくら月給で買われた身体からだだってあいた時間まで学校へ縛しばりつけて机と睨にらめっくらをさせるなんて法があるものか

>>874
利いた風な事をぬかす野郎やろうだ

騒々そうぞうしい

足を出して拭ふかせるなんて威張いばり過ぎるさ

>>768
よく先生が品切れにならない

するとうらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから立ち上がってそろそろ女の方へ歩き出したんで少し驚いた

その文句はこうである

向むこうの云い条がもっともなら明日にでも辞職してやる

校長でも尋たずねようかと思ったが草臥くたびれたから車に乗って宿屋へ連れて行けと車夫に云い付けた

謝罪をしなければその時辞職して帰るところだったがなまじいおれのいう通りになったのでとうとう大変な事になってしまった

>>819
それにしても早くうちを持ての妻さいを貰えの来て世話をするのと云う

>>569
生徒は休みになって喜んだそうだ

いやになった

たしか罰金ばっきんを出して済んだようである

>>868
昨日お着きでさぞお疲れでそれでもう授業をお始めで大分ご励精れいせいで――とのべつに弁じたのは愛嬌あいきょうのあるお爺じいさんだ

>>607
向むこうの云い条がもっともなら明日にでも辞職してやる

>>496
四つ角を二三度曲がったらすぐ門の前へ出た

目に涙なみだが一杯いっぱいたまっている

>>706
それからどこの学校へはいろうと考えたが学問は生来しょうらいどれもこれも好きでない

それに裏へ廻って卑劣ひれつな振舞ふるまいをするとは怪けしからん野郎やろうだ

>>425
堀田がおれを煽動して騒動そうどうを大きくしたと云う意味なのかあるいは堀田が生徒を煽動しておれをいじめたと云うのか方角がわからない

禅宗ぜんしゅう坊主だってこれよりは口に栄耀えようをさせているだろう

大通りも見た

黒い皮で張った椅子いすが二十脚きゃくばかり長いテーブルの周囲に並ならんでちょっと神田の西洋料理屋ぐらいな格だ

>>888
ようやくつらまえて針をとろうとするがなかなか取れない

第一先生を捕つらまえてなもした何だ

この男はこれが道楽である

よっぽど辛防しんぼう強い朴念仁ぼくねんじんがなるんだろう

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東京と断ことわる以上はもう少し奇麗にしそうなものだが東京を知らないのか金がないのか滅法めっぽうきたない

>>240
静かにしろ夜なかだぞとこっちも負けんくらいな声を出して廊下を向うへ馳かけだした

ターナーとは何の事だか知らないが聞かないでも困らない事だから黙だまっていた

何の事だと思ったらつまらない来歴だ

十五人目に体操たいそうの教師へと廻って来た時には同じ事を何返もやるので少々じれったくなった

二十五万石の城下だって高の知れたものだ

>>129
その外今日こんにちまで見損みそくなわれた事は随分あるがまだおれをつらまえて大分ご風流でいらっしゃると云ったものはない

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静かにしろ夜なかだぞとこっちも負けんくらいな声を出して廊下を向うへ馳かけだした

随分持てあました

取らない法があるか

しかし創痕きずあとは死ぬまで消えぬ

時々図抜ずぬけた大きな声で先生と云いう

>>772
どうしてそんな詳くわしい事が分るんですか

>>121
　ところへ待ちかねたうらなり君が気の毒そうにはいって来て少々用事がありまして遅刻致いたしましたと慇懃いんぎんに狸たぬきに挨拶あいさつをした

わるい事は手前達に覚おぼえがあるだろう

四杯食おうが五杯食おうがおれの銭でおれが食うのに文句があるもんかとさっさと講義を済まして控所へ帰って来た

たといあやまらないまでも恐れ入って静粛せいしゅくに寝ているべきだ

こんな狭せまくて暗い部屋へ押おし込めるのも茶代をやらないせいだろう

もう秋ですね浜の方は靄もやでセピヤ色になった

控所へくればすぐうらなり君が眼に付く途中とちゅうをあるいていてもうらなり先生の様子が心に浮うかぶ

ところが誰も口を開くものがない

>>846
校長は狸教頭は赤シャツ英語の教師はうらなり数学は山嵐画学はのだいこ

この様子じゃ寝頸ねくびをかかれても半ば無意識だって放免するつもりだろう

　野だが大人おとなしくなったなと気が付いてふり向いて見るといつしか艫ともの方で船頭と釣の話をしている

鮪まぐろの二匹や三匹釣ったってびくともするもんか

兄がおやじに言付いつけた

今でも貸すかどうか分らんがまあいっしょに行って聞いてみましょうと親切に連れて行ってくれた

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博物の教師は第一教場の屋根に烏からすがとまってるのを眺ながめている

幸さいわい一度挨拶あいさつに来て勝手は知ってるから捜さがしてあるく面倒はない

ところが去年あすこのお父さんがお亡くなりて――それまではお金もあるし銀行の株も持ってお出いでるし万事都合つごうがよかったのじゃが――それからというものはどういうものか急に暮し向きが思わしくなくなって――つまり古賀さんがあまりお人が好過よすぎるけれお欺だまされたんぞなもし

>>965
バッタだろうが雪踏せっただろうが非はおれにある事じゃない

端渓には上層中層下層とあって今時のものはみんな上層ですがこれはたしかに中層ですこの眼がんをご覧なさい

この男は馬鹿ばかに相違そういない

>>834
宿直はちょっと用達ようたしに出たと小使こづかいが教えた

>>424
あなたもお見受け申すところ大分ご風流でいらっしゃるらしい

つけられん事もないですが釣をするにはあまり岸じゃいけないですと赤シャツが異議を申し立てた

>>515
つまらん所だ

兄はそれから道具屋を呼んで来て先祖代々の瓦落多がらくたを二束三文にそくさんもんに売った

>>330
くれてから二時間ばかりは小使を宿直部屋へ呼んで話をしたがそれも飽あきたから寝られないまでも床とこへはいろうと思って寝巻に着換きがえて蚊帳かやを捲まくって赤い毛布けっとを跳はねのけてとんと尻持しりもちを突ついて仰向あおむけになった

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>>127
おれはこう云う単純な人間だから今までの喧嘩はまるで忘れて大いに難有ありがたいと云う顔をもって腰を卸した山嵐の方を見たら山嵐は一向知らん面かおをしている

>>532
元来女のような性分でずるいから仲がよくなかった

一番茶代をやって驚おどろかしてやろう

飯は食ったがまだ日が暮くれないから寝ねる訳に行かない

>>337
赤シャツと山嵐たあどっちがいい人ですかね

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あなたはどっか悪いんじゃありませんか

門から玄関げんかんまでは御影石みかげいしで敷しきつめてある

赤シャツはそいつは面白い吾々われわれはこれからそう云おうと賛成した

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あの岩の上にどうですラフハエルのマドンナを置いちゃ

おれは無論いい加減に聞いていたが途中からこれは飛んだ所へ来たと思った

>>804
赤シャツ相当のところだろう

その文句はこうである

中あたりましたろうがなもし

生徒は休みになって喜んだそうだ

>>83
兄にしては感心なやり方だ何の六百円ぐらい貰わんでも困りはせんと思ったが例に似ぬ淡泊たんばくな処置が気に入ったから礼を云って貰っておいた

自分の主人なら甥のためにも主人に相違ないと合点がてんしたものらしい

何が釣れたって魚は握にぎりたくない

>>941

今日こんにちただ今に至るまでこれでいいと堅かたく信じている

篦棒べらぼうめイナゴもバッタも同じもんだ

>>477
実際おれは二皿食って七銭払はらった

>>184
君釣つりはあまり好きでないと見えますねと赤シャツが聞くからええ寝ねていて空を見る方がいいですと答えて吸いかけた巻烟草まきたばこを海の中へたたき込んだらジュと音がして艪ろの足で掻き分けられた浪なみの上を揺ゆられながら漾ただよっていった

どうもあの曲り具合ったらありませんね

けちな奴等だ

>>67
実は大変嬉しかった

たといあやまらないまでも恐れ入って静粛せいしゅくに寝ているべきだ

しかし九円だってどうかならない事はない

>>103
なぜおれ一人にくれて兄さんには遣やらないのかと清に聞く事がある

女のような声を出すだけに心配性な男と見える

今度は夢も何も見ないでぐっすり寝た

云いうならフランクリンの自伝だとかプッシングツーゼフロントだとかおれでも知ってる名を使うがいい

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欠勤だと思ったら遅刻ちこくしたんだ

独りで極きめて一人ひとりで喋舌しゃべるからこっちは困こまって顔を赤くした

>>486
利いた風な事をぬかす野郎やろうだ

丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこお雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって提灯の火が軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている

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いい景色だ

大変な活眼だ

>>922
不思議なものである

宿屋へ五円やったから財布さいふの中には九円なにがししかない

清は十何年居たうちが人手に渡わたるのを大いに残念がったが自分のものでないから仕様がなかった

>>667
　卒業してから八日目に校長が呼びに来たから何か用だろうと思って出掛けて行ったら四国辺のある中学校で数学の教師が入る

あの手巾はんけちはきっとマドンナから巻き上げたに相違そういない

>>583
ベンチへ腰を懸けて敷島しきしまを吹かしていると偶然ぐうぜんにもうらなり君がやって来た

>>804
惚ほれるものがあったってマドンナぐらいなものだ

それにしても世の中は不思議なものだ虫の好かない奴が親切で気のあった友達が悪漢わるものだなんて人を馬鹿ばかにしている

この住田と云う所は温泉のある町で城下から汽車だと十分ばかり歩いて三十分で行かれる料理屋も温泉宿も公園もある上に遊廓ゆうかくがある

正体の知れない時は多少気味が悪わるかったがバッタと相場が極きまってみたら急に腹が立った

教場で折々しくじるとその時だけはやな心持ちだが三十分ばかり立つと奇麗きれいに消えてしまう

>>605
学校はそれでいいのだが下宿の方はそうはいかなかった

帰りに山嵐は通町とおりちょうで氷水を一杯ぱい奢おごった

　教員が控所ひかえじょへ揃そろうには一時間目の喇叭らっぱが鳴らなくてはならぬ

篦棒べらぼうめイナゴもバッタも同じもんだ

云えてて入れんものを説明しようがないがな

見すぼらしい服装なりをしてズックの革鞄と毛繻子けじゅすの蝙蝠傘こうもりを提げてるからだろう

教育が生きてフロックコートを着ればおれになるんだと云わぬばかりの狸たぬきもいる

どうも始末に終えない

清書をするには二日で済んだが下た書きをするには四日かかった

清が越後えちごの笹飴ささあめを笹ぐるみむしゃむしゃ食っている

>>430
つまらん奴等やつらだ

>>60
下女が雨戸を明けている

いやしくも自分が一校の留守番を引き受けながら咎とがめる者のないのを幸さいわいに場所もあろうに温泉などへ入湯にいくなどと云うのは大きな失体である

>>309
ところが誰も口を開くものがない

>>250
こんな時に一口でも先方の心を慰なぐさめてやるのは江戸えどっ子の義務だと思ってる

>>952
おれは生徒をあやまらせるか辞職するか二つのうち一つに極めてるんだからもし赤シャツが勝ちを制したら早速うちへ帰って荷作りをする覚悟かくごでいた

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「おれの行く田舎には笹飴はなさそうだ」と云って聞かしたら「そんならどっちの見当です」と聞き返した

古い前世紀の建築である

>>555
もしあの学校に長くでも居る模様なら東京から召よび寄よせてやろう

罰金ばっきんを出したまえと云った

>>59
何ですかい僕の奥さんが東京で間男でもこしらえていますかい

男なら男らしい声を出すもんだ

>>143
折々は自分の小遣こづかいで金鍔きんつばや紅梅焼こうばいやきを買ってくれる

>>151
ことに大学卒業生じゃないか

>>132
そら来たと思いながら何だと聞いたら「あまり早くて分からんけれもちっとゆるゆる遣やっておくれんかなもし」と云った

いいえあの吉川よしかわ先生がお付けたのじゃがなもし

そりゃ結構です

文学士と云えば大学の卒業生だからえらい人なんだろう

腹が立てば喧嘩けんかの一つぐらいは誰でもするだろうと思ってたがこの様子じゃめったに口も聞けない散歩も出来ない

>>597
箒ほうきを持って来てバッタの死骸しがいを掃き出した

>>244
こんな奴やつは沢庵石たくあんいしをつけて海の底へ沈しずめちまう方が日本のためだ

部屋のなかは少し暗くなって前の時より見にくくなったからとうとう椽鼻えんばなへ出て腰こしをかけながら鄭寧ていねいに拝見した

この下女はもと由緒ゆいしょのあるものだったそうだが瓦解がかいのときに零落れいらくしてつい奉公ほうこうまでするようになったのだと聞いている

>>165
余計な減らず口を利かないで勉強しろと云って授業を始めてしまった

捕つらまえた手はぬるぬるする

　それから日はすぐくれる

君等は卑怯と云う意味を知ってるかと云ったら自分がした事を笑われて怒おこるのが卑怯じゃろうがなもしと答えた奴がある

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出る方が正しいのだ

>>548
ひろびろとした海の上で潮風に吹ふかれるのは薬だと思った

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ケットを被かぶって鎌倉かまくらの大仏を見物した時は車屋から親方と云われた

うんと単簡に返事をしたら山嵐は安心したらしかった

壁かべは煤すすで真黒まっくろだ

>>763
あまり気の毒だから「行ゆく事は行くがじき帰る

>>364
それじゃ僕ぼくも二十四でお嫁をお貰いるけれ世話をしておくれんかなと田舎言葉を真似まねて頼んでみたらお婆さん正直に本当かなもしと聞いた

それならそうとはっきり断言するがいい男らしくもない

>>246
あとは勝手次第に席に着くんだそうだが体操たいそうの教師だけはいつも席末に謙遜けんそんするという話だ

話すならもっと大きな声で話すがいいまた内所話をするくらいならおれなんか誘わなければいい

ただ懲役ちょうえきに行かないで生きているばかりである

そのうち一人来る二人来るだんだん二階から宿直部屋へ集まってくる

車屋がどちらへ参りますと云うからだまって尾ついて来い今にわかると云ってすたすたやって来た

>>436
しかし清の眼から見るとそう見えるのだろう

　気になるから宿のお婆さんに東京から手紙は来ませんかと時々尋たずねてみるが聞くたんびに何にも参りませんと気の毒そうな顔をする

>>540
今日は露西亜文学の大当りだと赤シャツが野だに話している

>>432
見るとみんな眠ねむそうに瞼まぶたをはらしている

お望みならちと伝授しましょうとすこぶる得意である

>>975
小使まで馬鹿ばかだ

中学校に居た時ウィッチと云う言葉を習った事があるがこの女房はまさにウィッチに似ている

ざまを見ろ

>>928
何がアハハハだ

――ほかの人に無暗むやみに渾名あだななんかつけるのは人に恨うらまれるもとになるからやたらに使っちゃいけないもしつけたら清だけに手紙で知らせろ

>>581
なるほど十五畳敷にいつまで居る訳にも行くまい

>>226
そんな大病ならもう少し大人おとなしくすればよかったと思って帰って来た

>>983
下宿を出ようが出まいがおれの勝手だ

>>259
宿屋のものは変な顔をしていた

早く汽車がくればいいがなと話し相手が居なくなったので待ち遠しく思っているとまた一人あわてて場内へ馳かけ込こんで来たものがある

>>99
　停車場の時計を見るともう五分で発車だ

それから英語の教師に古賀こがとか云う大変顔色の悪わるい男が居た

当り前だ

あまり別嬪さんじゃけれ学校の先生方はみんなマドンナマドンナと言うといでるぞなもし

おくれんかなもしは生温なまぬるい言葉だ

世話をしてくれるにしたところで喧嘩をするから向うでも何とか云い出すに極きまっている

いっしょに居るうちはそうでもなかったがこうして田舎いなかへ来てみると清はやっぱり善人だ

イナゴは温ぬくい所が好きじゃけれ大方一人でおはいりたのじゃあろ

　今日は清の手紙で湯に行く時間が遅くなった

気を付けろったってこれより気の付けようはありません

早く顔を洗って朝飯を食わないと時間に間に合わないから早くしろと云って寄宿生をみんな放免ほうめんした

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>>891
今まではあんなに世話になって別段難有ありがたいとも思わなかったがこうして一人で遠国へ来てみると始めてあの親切がわかる

>>523
ただ気の毒だったのはうらなり君でおれがこう云ったら蒼い顔をますます蒼くした

わるい癖だと云って小川町おがわまちの下宿に居た時分二階下に居た法律学校の書生が苦情を持ち込こんだ事がある

なるべく勢いきおいよく倒れないと寝たような心持ちがしない

校長は今に職員に紹介しょうかいしてやるから一々その人にこの辞令を見せるんだと云って聞かした

おれの生涯のうちでは比較的ひかくてき呑気のんきな時節であった

今でも貸すかどうか分らんがまあいっしょに行って聞いてみましょうと親切に連れて行ってくれた

>>447
別段おれは笑われるような事を云った覚えはない

野郎また赤シャツ賛成の意を表するなどうせ貴様とは喧嘩だ勝手にしろと見ていると山嵐は硝子ガラス窓を振ふるわせるような声で私わたくしは教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります

>>540
すると東京はよい所でございましょうと云ったから当あたり前だと答えてやった

向むこうは一度で済む

>>386

へえ活眼かつがんだね

>>286
この男は馬鹿ばかに相違そういない

田舎へ行くんだと云ったら非常に失望した容子ようすで胡麻塩ごましおの鬢びんの乱れをしきりに撫なでた

ここばかり米が出来る訳でもあるまい

それを思うと清きよなんてのは見上げたものだ

おれは東京でまだ学問をしなければならない

>>90

>>616
野だが出て来る

丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこお雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって提灯の火が軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている

あとで聞いたらこの男が一番生徒に人望があるのだそうだ

>>610
親身しんみの甥よりも他人のおれの方が好きなのだろう

いい画が出来ますぜと野だが云うとマドンナの話はよそうじゃないかホホホホと赤シャツが気味の悪るい笑い方をした

まだ誰だれにも話しやしますまいねと云った

広い細長い部屋の周囲に机を並ならべてみんな腰こしをかけている

　三時間目も四時間目も昼過ぎの一時間も大同小異であった

>>544
厄介やっかいな所だ

おや釣れましたかね後世恐おそるべしだと野だがひやかすうち糸はもう大概手繰り込んでただ五尺ばかりほどしか水に浸ついておらん

>>849
今まで物理学校で毎日先生先生と呼びつけていたが先生と呼ぶのと呼ばれるのは雲泥うんでいの差だ

>>628
古い前世紀の建築である

ただ智慧のないところが惜しいだけだ

>>94
日が強いので水がやに光る

とにかくせっかく君が来たもんだからここで失敗しちゃ僕等ぼくらも君を呼んだ甲斐かいがない

バッタた何ぞなと真先まっさきの一人がいった

ついでだからその結果を云うと寄宿生は一週間の禁足になった上におれの前へ出て謝罪をした

まるで宮芝居の真似まねだ

>>914
ちょっと温泉に行きたくなった

随分ずいぶん気楽な宿直がいるものだ

>>961
女のような声を出すだけに心配性な男と見える

>>808

無位無冠でも一人前の独立した人間だ

どうして睨らんどるんですか

おれは若い女も嫌きらいではないが年寄を見ると何だかなつかしい心持ちがする

>>44

>>473
文学士と云えば大学の卒業生だからえらい人なんだろう

ところが行くときは必ず西洋手拭の大きな奴をぶら下げて行く

符箋ふせんが二三枚まいついてるからよく調べると山城屋からいか銀の方へ廻まわしていか銀から萩野はぎのへ廻って来たのである

たしか罰金ばっきんを出して済んだようである

自分で自分のした事が云えないくらいならてんでしないがいい

　親譲おやゆずりの無鉄砲むてっぽうで小供の時から損ばかりしている

>>520
掛かケ合うなら下宿へ掛ケ合えと凹へこましてやった

帝国文学も罪な雑誌だ

>>770
だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのはかえって未来のためによくないかとも思われます

>>829
おれは若い女も嫌きらいではないが年寄を見ると何だかなつかしい心持ちがする

>>212
おや釣れましたかね後世恐おそるべしだと野だがひやかすうち糸はもう大概手繰り込んでただ五尺ばかりほどしか水に浸ついておらん

>>165
しかし清は心配しているだろう

>>106
校長は狸教頭は赤シャツ英語の教師はうらなり数学は山嵐画学はのだいこ

なるほど石と松ばかりじゃ住めっこない

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>>828
　清が物をくれる時には必ずおやじも兄も居ない時に限る

手温てぬるい事だ

途中から小倉こくらの制服を着た生徒にたくさん逢あったがみんなこの門をはいって行く

某氏が宿直にあたられたのは着後早々の事でまだ生徒に接せられてから二十日に満たぬ頃ころであります

>>952
しかし今時の女子おなごは昔むかしと違ちごうて油断が出来んけれお気をお付けたがええぞなもし

おれは君子という言葉を書物の上で知ってるがこれは字引にあるばかりで生きてるものではないと思ってたがうらなり君に逢あってから始めてやっぱり正体のある文字だと感心したくらいだ

　母が病気で死ぬ二三日にさんち前台所で宙返りをしてへっついの角で肋骨あばらぼねを撲うって大いに痛かった

もっともうらなりとは何の事か今もって知らない

おや釣れましたかね後世恐おそるべしだと野だがひやかすうち糸はもう大概手繰り込んでただ五尺ばかりほどしか水に浸ついておらん

>>109
町はずれの岡の中腹にある家で至極閑静かんせいだ

それでも清は可愛がる

可笑おかしい事に釣れるのも釣れるのもみんなゴルキばかりだ

>>890
こん畜生ちきしょうと起き上がってみたが馳けられない

それから？

あなたは眼が大きいから役者になるときっと似合いますと清がよく云ったくらいだ

　庭を東へ二十歩に行き尽つくすと南上がりにいささかばかりの菜園があって真中まんなかに栗くりの木が一本立っている

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母も死ぬ三日前に愛想あいそをつかした――おやじも年中持て余している――町内では乱暴者の悪太郎と爪弾つまはじきをする――このおれを無暗に珍重ちんちょうしてくれた

これは人の住まない島だそうだ

>>474
箆棒べらぼうめ先生だって出来ないのは当り前だ

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いいえあの吉川よしかわ先生がお付けたのじゃがなもし

どう考えても清といっしょでなくっちあ駄目だめだ

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それを思うと清きよなんてのは見上げたものだ

>>762

もう秋ですね浜の方は靄もやでセピヤ色になった

　しばらくすると何だかぴくぴくと糸にあたるものがある

あの赤シャツがですか

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>>662
　いよいよ学校へ出た

>>166
いやに腹が減る

学校の方はどうかこうか無事に勤まりそうだがこう骨董責こっとうぜめに逢あってはとても長く続きそうにない

天麩羅蕎麦そばを食っちゃならない団子を食っちゃならないそれで下宿に居て芋ばかり食って黄色くなっていろなんて教育者はつらいものだ

>>958
淡泊に行かなければどんな風に行くんです

山城屋の地面は菜園より六尺がた低い

清は火鉢で乾かわかしてこれでいいでしょうと出した

野だが出て来る

なんでバッタなんかおれの床の中へ入れた

>>416
すると狸はあなたは今日は宿直ではなかったですかねえと真面目まじめくさって聞いた

会議と云うものがこんな馬鹿気ばかげたものなら欠席して昼寝でもしている方がましだ

その時は家なんか欲しくも何ともなかった

よく先生が品切れにならない

野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない

おやじの葬式そうしきの時に小日向こびなたの養源寺ようげんじの座敷ざしきにかかってた懸物はこの顔によく似ている

>>836
攻撃こうげきされても仕方がない

>>596
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>>25
しかし人間だから何か娯楽ごらくがないと田舎いなかへ来て狭せまい土地では到底暮くらせるものではない

おれは無論いい加減に聞いていたが途中からこれは飛んだ所へ来たと思った

>>906
仕方がないから部屋の中へはいって汗あせをかいて我慢がまんしていた

おれは動かないでやはり聞いていた

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この三年間は四畳半に蟄居ちっきょして小言はただの一度も聞いた事がない

>>202
へえ不思議なもんですね

>>187
おれはさっきの話を聞いてからうらなり君がなおさら気の毒になった

しかしほかの連中はみんな大人おとなしくご規則通りやってるから新参のおればかりだだを捏こねるのもよろしくないと思って我慢がまんしていた

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　母が死んでから清はいよいよおれを可愛がった

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>>352
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>>136
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それはあとから話すが校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った

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おれは様子が分らないから博物の教師と漢学の教師の間へはいり込こんだ

>>232
人の茶だと思って無暗むやみに飲む奴やつだ

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>>48
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>>498
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一人足りない

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>>883
すると四十円の月給で毎日上等へはいるのは贅沢ぜいたくだと云い出した

>>862
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>>727
東京と断ことわる以上はもう少し奇麗にしそうなものだが東京を知らないのか金がないのか滅法めっぽうきたない

あなたは眼が大きいから役者になるときっと似合いますと清がよく云ったくらいだ

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>>618
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部屋の中を往来するのでも音を立てないように靴くつの底をそっと落おとす

なまじい保護を受ければこそこんな兄に頭を下げなければならない

>>344
実はゆうべ茶を買ってくれと頼たのんでおいたのだがこんな苦い濃こい茶はいやだ

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野だは例のへらへら調で実に今回のバッタ事件及び咄喊とっかん事件は吾々われわれ心ある職員をしてひそかに吾わが校将来の前途ぜんとに危惧きぐの念を抱いだかしむるに足る珍事ちんじでありまして吾々職員たるものはこの際奮ふるって自ら省りみて全校の風紀を振粛しんしゅくしなければなりません

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昨日も芋一昨日おとといも芋で今夜も芋だ

騒々そうぞうしい

>>743
物理学校でさえおれくらいな声が出るのに文学士がこれじゃ見っともない

>>65
なまじい保護を受ければこそこんな兄に頭を下げなければならない

3g10642o9vfa50ljfb5904lpm297t99br10elul02x5kolhr5f87y511g42772e4s1zk06hu3v62a979aj80aml25v5wkixp3p78

>>50

それも一度や二度ではない

へえ不思議なもんですね

いくら気取ったってあの面じゃ駄目だめだ

>>180
赤シャツの行く所なら野だは必ず行くに極きまっているんだから今さら驚おどろきもしないが二人で行けば済むところをなんで無愛想ぶあいそのおれへ口を掛かけたんだろう

>>99
それで古賀さんにお気の毒じゃててお友達の堀田ほったさんが教頭の所へ意見をしにお行きたら赤シャツさんがあしは約束のあるものを横取りするつもりはない

>>563
おれはどうでもするがよかろうと返事をした

>>0
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校長ってものがこれならば何の事はない煮にえ切きらない愚図ぐずの異名だ

　会議室は校長室の隣となりにある細長い部屋で平常は食堂の代理を勤める

>>97
しかしほかの連中はみんな大人おとなしくご規則通りやってるから新参のおればかりだだを捏こねるのもよろしくないと思って我慢がまんしていた

>>49
一体疳性かんしょうだから夜具やぐ蒲団ふとんなどは自分のものへ楽に寝ないと寝たような心持ちがしない

>>685
あした行って一銭五厘返してしまえば借りも貸しもない

>>125
今にいろいろな事を書いてやる

世の中はいかさま師ばかりでお互たがいに乗せっこをしているのかも知れない

>>660
おれのはいった団子屋は遊廓の入口にあって大変うまいという評判だから温泉に行った帰りがけにちょっと食ってみた

これは文学士だそうだ

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>>897
こんな明白なのは即座そくざに校長が処分してしまえばいいに

>>863
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>>625
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>>273
あした勝てなければあさって勝つ

月給は四十円だが行ってはどうだという相談である

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>>325
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>>828
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>>781
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>>556
大いに気味がわるい

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そのうち一人来る二人来るだんだん二階から宿直部屋へ集まってくる

>>233
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>>369
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>>983
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するとうらなり君が突然とつぜんおれの隣となりから立ち上がってそろそろ女の方へ歩き出したんで少し驚いた

>>4
あの人を尋たずねて聞いたらよさそうな下宿を教えてくれるかも知れない

>>347
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嘘うそをつきゃあがった

東京と断ことわる以上はもう少し奇麗にしそうなものだが東京を知らないのか金がないのか滅法めっぽうきたない

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　このくらい関係の深い人の事だから会議室へはいるや否やうらなり君の居ないのはすぐ気がついた

>>367

>>776
字がまずいばかりではない大抵たいてい平仮名だからどこで切れてどこで始まるのだか句読くとうをつけるのによっぽど骨が折れる

>>276
大変な活眼だ

十日に一遍いっぺんぐらいの割で喧嘩けんかをしていた

>>384
こう遣やり込こめられるくらいならだまっていればよかった

>>212
生徒の賄まかないを取りよせて晩飯を済ましたがまずいには恐おそれ入いった

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>>596
口惜くやしかったから兄の横っ面を張って大変叱しかられた

やな女が声を揃そろえてお上がりなさいと云うので上がるのがいやになった

ただうんとかああと云うばかりで時々怖こわい眼をしておれの方を見る

早く顔を洗って朝飯を食わないと時間に間に合わないから早くしろと云って寄宿生をみんな放免ほうめんした

>>755

>>53
別段不思議にも思わなかった

十五畳の座敷に寝ている

神楽坂かぐらざかを半分に狭くしたぐらいな道幅みちはばで町並まちなみはあれより落ちる

>>999
大変な活眼だ

物は相談ずくでどうでもなる

開いてみると非常に長いもんだ

>>348
奢られるのがいやだから返すんだ

厄介やっかいだね

卒業さえすれば金が自然とポッケットの中に湧いて来ると思っている

あとから聞いたらこの男は年が年中赤シャツを着るんだそうだ

ご覧の通りの始末である

氷水の代は受け取るから下宿は出てくれ

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>>157
野だの顔はどう考えても劣等だ

>>972
さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪しゃくに障さわった

赤シャツはそいつは面白い吾々われわれはこれからそう云おうと賛成した

>>625
そうかと思うと赤シャツのようにコスメチックと色男の問屋をもって自ら任じているのもある

物理学校でさえおれくらいな声が出るのに文学士がこれじゃ見っともない

途中から小倉こくらの制服を着た生徒にたくさん逢あったがみんなこの門をはいって行く

それから申し付けられた通り一人一人ひとりびとりの前へ行って辞令を出して挨拶あいさつをした

一体この赤シャツはわるい癖くせだ

>>102
よっぽど撲なぐりつけてやろうかと思った

おれは膏あぶらっ手だから開けてみると一銭五厘が汗あせをかいている

>>603
ただ清は昔風むかしふうの女だから自分とおれの関係を封建ほうけん時代の主従しゅじゅうのように考えていた

五

>>835
実際おれは二皿食って七銭払はらった

おれはさっきの話を聞いてからうらなり君がなおさら気の毒になった

人がこんなに真赤まっかになってるのにふんという理窟りくつがあるものか

>>1000
その外今日こんにちまで見損みそくなわれた事は随分あるがまだおれをつらまえて大分ご風流でいらっしゃると云ったものはない

　九州へ立つ二日前兄が下宿へ来て金を六百円出してこれを資本にして商買しょうばいをするなり学資にして勉強をするなりどうでも随意ずいいに使うがいいその代りあとは構わないと云った

　君釣つりに行きませんかと赤シャツがおれに聞いた

こんな婆さんに逢あっては叶かなわない

>>906
なに誰も居ないから大丈夫だいじょうぶですとちょっとおれの方を見たがわざと顔をそむけてにやにやと笑った

>>707
月給は四十円だが行ってはどうだという相談である

　おれはこう考えて何か云おうかなと考えてみたが云うなら人を驚ろすかように滔々とうとうと述べたてなくっちゃつまらないおれの癖として腹が立ったときに口をきくと二言か三言で必ず行き塞つまってしまう

おれが戸を開けて中に居る奴を引っ捕つらまえてやろうと焦慮いらってるとまた東のはずれで鬨の声と足拍子が始まった

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　　ある日の晩大町おおまちと云う所を散歩していたら郵便局の隣となりに蕎麦そばとかいて下に東京と注を加えた看板があった

>>863
清書をするには二日で済んだが下た書きをするには四日かかった

堀田がおれを煽動して騒動そうどうを大きくしたと云う意味なのかあるいは堀田が生徒を煽動しておれをいじめたと云うのか方角がわからない

>>366
うんと云ったがうんだけでは気が済まなかったからこの学校の生徒は分らずやだなと云ってやった

ある時将棋しょうぎをさしたら卑怯ひきょうな待駒まちごまをして人が困ると嬉うれしそうに冷やかした

野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ

月給はたくさんとる時間は少ないそれで宿直を逃のがれるなんて不公平があるものか

>>313
君は学校に騒動そうどうを起すつもりで来たんじゃなかろうと妙みょうに常識をはずれた質問をするから当あたり前まえです月給をもらったり騒動を起したりしちゃ学校の方でも困るでしょうと云った

>>411
弱虫やーい

>>201
それではお邪魔じゃまを致いたしましょうとようやくおれの云う事を聞いてくれた

　けちな奴等やつらだ

>>70
宿直はちょっと用達ようたしに出たと小使こづかいが教えた

>>605
野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった

一番茶代をやって驚おどろかしてやろう

わるい癖だと云って小川町おがわまちの下宿に居た時分二階下に居た法律学校の書生が苦情を持ち込こんだ事がある

>>728
大工の兼公かねこうと肴屋さかなやの角かくをつれて茂作もさくの人参畠にんじんばたけをあらした事がある

>>8
寝巻のまま腕うでまくりをして談判を始めた

あれは持前の声をわざと気取ってあんな優しいように見せてるんだろう

君のずぼらにも困るな校長か教頭に出逢うと面倒めんどうだぜと山嵐に似合わない事を云うから校長にはたった今逢った

それから下女が膳ぜんを持って来た

>>766
天井てんじょうはランプの油烟ゆえんで燻くすぼってるのみか低くって思わず首を縮めるくらいだ

>>645
うんそんなら云ってやろう

>>153
親身しんみの甥よりも他人のおれの方が好きなのだろう

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おや釣れましたかね後世恐おそるべしだと野だがひやかすうち糸はもう大概手繰り込んでただ五尺ばかりほどしか水に浸ついておらん

>>827
教場へ出ると今度の組は前より大きな奴やつばかりである

　引き受けた以上は赴任ふにんせねばならぬ

どうせ兄の厄介やっかいになる気はない

僕ぼくは堀田ほった君の事について別段君に何も明言した覚えはないんだから――君がもしここで乱暴を働いてくれると僕は非常に迷惑する

いやに腹が減る

聞いたって……と野だが振り返った時おれは皿さらのような眼めを野だの頭の上へまともに浴びせ掛けてやった

四

>>770
くだらないからすぐ寝ねたがなかなか寝られない

母は兄ばかり贔屓ひいきにしていた

しかしこんな田舎者いなかものに弱身を見せると癖くせになると思ったからなるべく大きな声をして少々巻き舌で講釈してやった

赤シャツと野だは驚ろいて見ている

何だか訳が分らない

それを野だが油絵にでもかいて展覧会へ出したらよかろう

おれは控所ひかえじょへはいるや否や返そうと思ってうちを出る時から湯銭のように手の平へ入れて一銭五厘学校まで握にぎって来た

>>23
あまり別嬪さんじゃけれ学校の先生方はみんなマドンナマドンナと言うといでるぞなもし

こんな部屋はいやだと云ったらあいにくみんな塞ふさがっておりますからと云いながら革鞄を抛ほうり出したまま出て行った

>>932
その三円を蝦蟇口がまぐちへ入れて懐ふところへ入れたなり便所へ行ったらすぽりと後架こうかの中へ落おとしてしまった

それだから中学校の小使なんぞをしてるんだ

>>437
折々おれが小さい時寝小便をした事まで持ち出すには閉口した

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>>834
新体詩などと来ては二十行あるうちで一行も分らない

>>281
そりゃごもっともだ

どうか気を付けてくれたまえ

>>399
――おれは一皿の芋を平げて机の抽斗ひきだしから生卵を二つ出して茶碗ちゃわんの縁ふちでたたき割ってようやく凌しのいだ

では会議を開きますと狸はまず書記の川村君に蒟蒻版を配布させる

余計な手数だ

始めに持って来たのは何でも印材で十とおばかり並ならべておいてみんなで三円なら安い物だお買いなさいと云う

男なら男らしい声を出すもんだ

箆棒べらぼうめ先生だって出来ないのは当り前だ

こういうおれでさえ上等を奮発ふんぱつして白切符を握にぎってるんでもわかる

大抵たいていはなりや様子でも分る

>>327
実を云うとこの男の次へでも坐すわろうかとひそかに目標めじるしにして来たくらいだ

見すぼらしい服装なりをしてズックの革鞄と毛繻子けじゅすの蝙蝠傘こうもりを提げてるからだろう

>>243
弱虫は親切なものだからあの赤シャツも女のような親切ものなんだろう

こんな部屋はいやだと云ったらあいにくみんな塞ふさがっておりますからと云いながら革鞄を抛ほうり出したまま出て行った

>>279
赤シャツは琥珀こはくのパイプを絹ハンケチで磨みがき始めた

だから表面上にあらわれたところだけで厳重な制裁を加えるのはかえって未来のためによくないかとも思われます

>>878
嘘うそをつきゃあがった

沖おきへ行って肥料こやしを釣ったりゴルキが露西亜ロシアの文学者だったり馴染なじみの芸者が松まつの木の下に立ったり古池へ蛙かわずが飛び込んだりするのが精神的娯楽なら天麩羅を食って団子を呑のみ込むのも精神的娯楽だ

するとあなたは欲がすくなくって心が奇麗だと云ってまた賞めた

おれも何だかうちが持てるような気がしてうん置いてやると返事だけはしておいた

>>173
どうせ兄の厄介やっかいになる気はない

どうせ経験には乏しいはずです

よくまああんなにずうずうしく出来るものだ

>>933
おれも今に返そうなどと他人がましい義理立てはしないつもりだ

>>733
　何だか二階の楷子段はしごだんの下の暗い部屋へ案内した

清はこんな時に決して笑った事はない

しかし別段困った質問も掛かけられずに済んだ

>>116
へえ不思議なもんですね

>>712
――先せんだって坊っちゃんからもらった五十円を坊っちゃんが東京へ帰ってうちを持つ時の足しにと思って郵便局へ預けておいたがこの十円を引いてもまだ四十円あるから大丈夫だ

六人だろうが十人だろうが構うものか

>>827
　分り過ぎて困るくらいだ

兄は何とか会社の九州の支店に口があって行ゆかなければならん

野だの癖に意見を述べるなんて生意気だ

>>694
その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる

少しはひとの了見りょうけんも察してみるがいい

>>18
おれなら即席そくせきに寄宿生をことごとく退校してしまう

少し散歩でもしよう

今度は鎌倉どころではない

>>565
なぜそんな無闇むやみをしたと聞く人があるかも知れぬ

>>320
物騒ぶっそうな所だ

>>837
野だは時々山嵐に話しかけるが山嵐は一向応じない

今に学校を卒業すると麹町辺へ屋敷を買って役所へ通うのだなどと吹聴ふいちょうした事もある

>>536
　それから赤シャツと野だは一生懸命いっしょうけんめいに釣っていたが約一時間ばかりのうちに二人ふたりで十五六上げた

現に君の前任者がやられたんだから気を付けないといけないと云うんです

九円じゃ東京までは帰れない

　授業の都合つごうで一時間目は少し後おくれて控所へ帰ったらほかの教師はみんな机を控えて話をしている

向むこうは一度で済む

さようなら」

>>336
ことに語学とか文学とか云うものは真平まっぴらご免めんだ

>>574
それで古賀さんにお気の毒じゃててお友達の堀田ほったさんが教頭の所へ意見をしにお行きたら赤シャツさんがあしは約束のあるものを横取りするつもりはない

赤シャツのお陰かげではなはだ愉快ゆかいだ

>>123
あんまり腹が立ったからマドンナに逢あうのも精神的娯楽ですかと聞いてやった

鰹かつおの一匹ぐらい義理にだってかかってくれるだろうとどぼんと錘と糸を抛ほうり込んでいい加減に指の先であやつっていた

　そのうち学校もいやになった

手燭てしょくをつけて一匹ずつ焼くなんて面倒な事は出来ないから釣手つりてをはずして長く畳たたんでおいて部屋の中で横竪よこたて十文字に振ふるったら環かんが飛んで手の甲こうをいやというほど撲ぶった

おれはその時から別段何になると云う了見りょうけんもなかった

しかしひとたび起った以上は仕方がないどうにか処分をせんければならん事実はすでに諸君のご承知の通りであるからして善後策について腹蔵のない事を参考のためにお述べ下さい

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>>997

>>740
広い所だ

>>99
兄はそれから道具屋を呼んで来て先祖代々の瓦落多がらくたを二束三文にそくさんもんに売った

一杯ぱい飲むと胃に答えるような気がする

>>108
中あたりましたろうがなもし

大方清も知らないんだろう

何だか清に逢いたくなった

おれはこの時からこの坊主に山嵐やまあらしという渾名あだなをつけてやった

二年前ある人の使つかいに帝国ていこくホテルへ行った時は錠前じょうまえ直しと間違まちがえられた事がある

ところへ赤シャツが来て昨日は失敬迷惑めいわくでしたろうと云ったから迷惑じゃありませんお蔭で腹が減りましたと答えた

大抵たいていは十三四人漬つかってるがたまには誰も居ない事がある

汽車がよっぽど動き出してからもう大丈夫だいしょうぶだろうと思って窓から首を出して振り向いたらやっぱり立っていた

>>225
茶代なんかやらなければよかった

>>327
家屋敷いえやしきはある人の周旋しゅうせんである金満家に譲った

そう早く死ぬとは思わなかった

やっと参りました

よくいろいろな事を知ってますね

>>3
西洋館も日本建にほんだても全く不用であったからそんなものは欲しくないといつでも清に答えた

教頭はその源因を教師の人物いかんにお求めになるようでありますが失礼ながらそれは失言かと思います

こんな部屋はいやだと云ったらあいにくみんな塞ふさがっておりますからと云いながら革鞄を抛ほうり出したまま出て行った

始めに持って来たのは何でも印材で十とおばかり並ならべておいてみんなで三円なら安い物だお買いなさいと云う

取らない法があるか

>>665
赤シャツと山嵐たあどっちがいい人ですかね

赤シャツ相当のところだろう

田舎者はこの呼吸が分からないからどこまで押おして行っても構わないと云う了見りょうけんだろう

9ah8sj9fv36qvb7q01bn42op75mo3dqn8k687wfz72x9hh78ra057kvfp4o6o1w5q1b9hs44860ain4am8lgf025w2om28x3netw

>>315
校長は薄髯うすひげのある色の黒い目の大きな狸たぬきのような男である

山嵐はまだおれの顔をにらめている

>>515
続つづいて五六人は乗ったろう

>>49
　九州へ立つ二日前兄が下宿へ来て金を六百円出してこれを資本にして商買しょうばいをするなり学資にして勉強をするなりどうでも随意ずいいに使うがいいその代りあとは構わないと云った

>>646
それから出席簿しゅっせきぼを一応調べてようやくお暇ひまが出る

>>540
よく先生が品切れにならない

おれの通る路みちは暗いただはずれに見える月あかりが目標めじるしだ

　ところへ入口で若々しい女の笑声が聞きこえたから何心なく振ふり返ってみるとえらい奴が来た

>>557
人参の芽が出揃でそろわぬ処ところへ藁わらが一面に敷しいてあったからその上で三人が半日相撲すもうをとりつづけに取ったら人参がみんな踏ふみつぶされてしまった

つまらん奴等やつらだ

今日までは数学と骨董で蕎麦を忘れていたがこうして看板を見ると素通りが出来なくなる

あした勝てなければあさって勝つ

しかし際限がないからやめる

いいえあの吉川よしかわ先生がお付けたのじゃがなもし

>>501
　停車場の時計を見るともう五分で発車だ

るもんじゃない

よっぽど辛防しんぼう強い朴念仁ぼくねんじんがなるんだろう

おれのはいった団子屋は遊廓の入口にあって大変うまいという評判だから温泉に行った帰りがけにちょっと食ってみた

>>958
するととうとう死んだと云う報知しらせが来た

>>487

おれは美人の形容などが出来る男でないから何にも云えないが全く美人に相違ない

すると赤シャツがまた口を出した

威勢いせいよく一番に飛び込んだ

どうも狭い土地に住んでるとうるさいものだ

そう云っちゃ取りつきどころもないが――実は僕も教頭として君のためを思うから云うんだがわるく取っちゃ困る教頭は全く君に好意を持ってるんですよ

>>653
浮がなくって釣をするのは寒暖計なしで熱度をはかるようなものだ

しかし清がなるなると云うものだからやっぱり何かに成れるんだろうと思っていた

なるほど石と松ばかりじゃ住めっこない

これは妙だ

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乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ

>>298
一朝一夕にゃ到底分りません

>>735
自分でも可笑おかしいと思ったが苦情を云う訳もないから大人しく卒業しておいた

校長の云うようにはとても出来ない

中あたりましたろうがなもし

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青空を見ていると日の光がだんだん弱って来て少しはひやりとする風が吹き出した

おれは焦せっ勝かちな性分だからこんな長くて分りにくい手紙は五円やるから読んでくれと頼まれても断わるのだがこの時ばかりは真面目まじめになって始はじめから終しまいまで読み通した

　おれは校長の言葉を聞いてなるほど校長だの狸だのと云うものはえらい事を云うもんだと感心した

>>844
大変な遠くへ行かねばならぬ

おれとうらなり君とはどう云う宿世すくせの因縁かしらないがこの人の顔を見て以来どうしても忘れられない

>>317
証拠しょうこさえ挙がらなければしらを切るつもりで図太く構えていやがる

江戸っ子は軽薄けいはくだと云うがなるほどこんなものが田舎巡いなかまわりをして私わたしは江戸っ子でげすと繰り返していたら軽薄は江戸っ子で江戸っ子は軽薄の事だと田舎者が思うに極まってる

漢学の先生は蒟蒻版こんにゃくばんを畳たたんだり延ばしたりしてる

一晩ぐらい寝ないでそんな面をして男と云われるか

山門のなかに遊廓ゆうかくがあるなんて前代未聞の現象だ

好いい気性なら清以外のものももう少し善くしてくれるだろうと思った

>>637

>>228
兄にしては感心なやり方だ何の六百円ぐらい貰わんでも困りはせんと思ったが例に似ぬ淡泊たんばくな処置が気に入ったから礼を云って貰っておいた

>>677
おれは別に恥はずかしい事をした覚えはないんだから立ち上がりながら部屋中一通り見巡みまわしてやった

>>220
おやじには叱られる

学校の職員や生徒に過失のあるのはみんな自分の寡徳かとくの致すところで何か事件がある度に自分はよくこれで校長が勤まるとひそかに慚愧ざんきの念に堪たえんが不幸にして今回もまたかかる騒動を引き起したのは深く諸君に向って謝罪しなければならん

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いいえあの吉川よしかわ先生がお付けたのじゃがなもし

清は十何年居たうちが人手に渡わたるのを大いに残念がったが自分のものでないから仕様がなかった

彼かれはこんな条理じょうりに適かなわない議論を吐はいて得意気に一同を見廻した

>>65
青空を見ていると日の光がだんだん弱って来て少しはひやりとする風が吹き出した

画学の教師は全く芸人風だ

中学校に居た時ウィッチと云う言葉を習った事があるがこの女房はまさにウィッチに似ている

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おや山嵐の癖くせにどこまでも奢る気だな

それを思うと清きよなんてのは見上げたものだ

あの松を見たまえ幹が真直まっすぐで上が傘かさのように開いてターナーの画にありそうだねと赤シャツが野だに云うと野だは全くターナーですね

おれはだまって天麩羅を消してこんないたずらが面白いか卑怯ひきょうな冗談だ

考えてみると世間の大部分の人はわるくなる事を奨励しょうれいしているように思う

その方に耽ふけるとつい品性にわるい影響えいきょうを及ぼすようになる

>>59
好いい気性なら清以外のものももう少し善くしてくれるだろうと思った

　午後は先夜おれに対して無礼を働いた寄宿生の処分法についての会議だ

よくあんなものを食ってあれだけに暴れられたもんだ

>>810
ところがあいにくうらなり君の方ではうまい具合にこっちの調子に乗ってくれない

こっちがこんな心配をすればするほど清の心を疑ぐるようなもので清の美しい心にけちを付けると同じ事になる

憐あわれな奴等やつらだ

こんな連中が寄り合って学校を立てていりゃ世話はない

ターナーとは何の事だか知らないが聞かないでも困らない事だから黙だまっていた

>>122
おれは君子という言葉を書物の上で知ってるがこれは字引にあるばかりで生きてるものではないと思ってたがうらなり君に逢あってから始めてやっぱり正体のある文字だと感心したくらいだ

>>497
大方清も知らないんだろう

>>98
この手拭が湯に染そまった上へ赤い縞しまが流れ出したのでちょっと見ると紅色べにいろに見える

あくる日は思う仔細しさいがあるから例刻より早ヤ目に出校して山嵐を待ち受けた

三度目に床へはいった時は少々落ち付いたがなかなか寝られない

出る方が正しいのだ

見ると最初が処分の件次が生徒取締とりしまりの件その他二三ヶ条である

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>>913
挨拶あいさつをするとへえと恐縮きょうしゅくして頭を下げるから気の毒になる

>>644
おれはこう考えたから行きましょうと答えた

>>971
坊主ぼうずに聞いてみたら韋駄天いだてんと云う怪物だそうだ

十日に一遍いっぺんぐらいの割で喧嘩けんかをしていた

開いてみると非常に長いもんだ

>>77
それにしても早くうちを持ての妻さいを貰えの来て世話をするのと云う

　それからかなりゆるりと出たりはいったりしてようやく日暮方ひぐれがたになったから汽車へ乗って古町こまちの停車場ていしゃばまで来て下りた

バッタた何ぞなと真先まっさきの一人がいった

それはあとから話すが校長はこの時会議の引き続きだと号してこんな事を云った

>>832
困ったって負けるものか

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汽車がよっぽど動き出してからもう大丈夫だいしょうぶだろうと思って窓から首を出して振り向いたらやっぱり立っていた

>>460
ええなかなか込み入ってますからね

猫ねこの額ほどな町内の癖くせに中学校のありかも知らぬ奴やつがあるものか

うんそんなら云ってやろう

>>792
おれは卑怯ひきょうな人間ではない

よくまああんなにずうずうしく出来るものだ

この野だはどういう了見りょうけんだか赤シャツのうちへ朝夕出入でいりしてどこへでも随行ずいこうして行ゆく

>>518
まるで豚だ

赤シャツはそいつは面白い吾々われわれはこれからそう云おうと賛成した

>>341
あの金鎖りは贋物にせものである

僕ぼくが話さないでも自然と分って来るですね吉川君

亭主が君に何を話したんだかおれが知ってるもんか

>>755
大分寒くなった

おれはだまって天麩羅を消してこんないたずらが面白いか卑怯ひきょうな冗談だ

>>689
　しばらくすると何だかぴくぴくと糸にあたるものがある

>>764
時間があると写生するんだが惜おしいですねこのままにしておくのはと野だは大いにたたく

>>283
なるほど石と松ばかりじゃ住めっこない

>>546
あなたの手腕しゅわんでゴルキなんですから私わたしなんぞがゴルキなのは仕方がありません

狭せまいけれ何でも分りますぞなもし

困ったって負けるものか

>>842
二時間目にもきっと何かあると思うと遊廓の団子旨い旨いと書いてある

>>6
しかしだんだん分ります僕が話さないでも自然と分って来るですと野だは赤シャツと同じような事を云う

>>54
一人足りない

>>483
おやじには叱られる

自分の好きなものは必ずえらい人物になって嫌いなひとはきっと落ち振れるものと信じている

どうも狭せまい所だ

こうなれば隠れている奴を引きずり出してあやまらせてやるまではひかないぞと心を極きめて寝室しんしつの一つを開けて中を検査しようと思ったが開かない

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そのうち喇叭が鳴る

>>806
禅宗ぜんしゅう坊主だってこれよりは口に栄耀えようをさせているだろう

>>10
おれはさっきの話を聞いてからうらなり君がなおさら気の毒になった

ここらであなた一番の別嬪べっぴんさんじゃがなもし

>>613
可哀想かわいそうにこれでもまだ二十四ですぜと云ったらそれでもあなた二十四で奥さんがおありなさるのは当り前ぞなもしと冒頭ぼうとうを置いてどこの誰だれさんは二十でお嫁よめをお貰もらいたのどこの何とかさんは二十二で子供を二人ふたりお持ちたのと何でも例を半ダースばかり挙げて反駁はんばくを試みたには恐おそれ入った

　清の事を考えながらのつそつしていると突然とつぜんおれの頭の上で数で云ったら三四十人もあろうか二階が落っこちるほどどんどんどんと拍子ひょうしを取って床板を踏みならす音がした

一体釣や猟りょうをする連中はみんな不人情な人間ばかりだ

あの松を見たまえ幹が真直まっすぐで上が傘かさのように開いてターナーの画にありそうだねと赤シャツが野だに云うと野だは全くターナーですね

>>541
おれは小使にちょっと出てくると云ったら何かご用ですかと聞くから用じゃない温泉へはいるんだと答えてさっさと出掛でかけた

>>634
これはずっと後の事であるが金を三円ばかり貸してくれた事さえある

>>432

>>191
陸おかへ着いた時もいの一番に飛び上がっていきなり磯いそに立っていた鼻たれ小僧こぞうをつらまえて中学校はどこだと聞いた

しかし今時の女子おなごは昔むかしと違ちごうて油断が出来んけれお気をお付けたがええぞなもし

>>822
生徒の風儀ふうぎは教師の感化で正していかなくてはならんその一着手として教師はなるべく飲食店などに出入しゅつにゅうしない事にしたい

そのうち喇叭が鳴る

>>663
出来ないのを出来ないと云うのに不思議があるもんか

いっそ思い切って学校で嘘をつく法とか人を信じない術とか人を乗せる策を教授する方が世のためにも当人のためにもなるだろう

>>864
ところが勝手でない昨日あすこの亭主ていしゅが来て君に出てもらいたいと云うからその訳を聞いたら亭主の云うのはもっともだ

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　けちな奴等やつらだ

こっちは同じ所作しょさを十五返繰り返している

>>569
そうしておいて喧嘩をしてやろう

>>563
返さないんだ

q128gg1a33b37ni45t6lga0ma5eu30474e25we5is24g101mdk42lnn697xf57ba6n0011hhr8icf202d499mwt451xk30zgld2y

山嵐は妙みょうな顔をしていた

おれは生れてからまだこんな立派な座敷へはいった事はない

　引き受けた以上は赴任ふにんせねばならぬ

ところがこの女はなかなか想像の強い女であなたはどこがお好き麹町こうじまちですか麻布あざぶですかお庭へぶらんこをおこしらえ遊ばせ西洋間は一つでたくさんですなどと勝手な計画を独りで並ならべていた

おれは一ヶ月以前からしばらく前途の方向のつくまで神田の小川町おがわまちへ下宿していた

>>221
ところが勝手でない昨日あすこの亭主ていしゅが来て君に出てもらいたいと云うからその訳を聞いたら亭主の云うのはもっともだ

居てくれと手を合せたって居るものか

気の毒だと思った

>>332
失敬な奴だ

やに落ち付いていやがる

　おれには山嵐の云う事が何の意味だか分らない

ところが学校というものはなかなか情実のあるものでそう書生流に淡泊たんぱくには行ゆかないですからね

この三年間は四畳半に蟄居ちっきょして小言はただの一度も聞いた事がない

おい君は宿直じゃないかと聞くからうん宿直だと答えたら宿直が無暗むやみに出てあるくなんて不都合ふつごうじゃないかと云った

時間があると写生するんだが惜おしいですねこのままにしておくのはと野だは大いにたたく

>>792
浮がなくって釣をするのは寒暖計なしで熱度をはかるようなものだ

すると赤シャツは山嵐の机の上へ肱ひじを突ついてあの盤台面ばんだいづらをおれの鼻の側面へ持って来たから何をするかと思ったら君昨日返りがけに船の中で話した事は秘密にしてくれたまえ

広い細長い部屋の周囲に机を並ならべてみんな腰こしをかけている

野だの顔はどう考えても劣等だ

山嵐はとうとう出て来ない

>>914
そうしてそんな悪わるい教師なら早く免職めんしょくさしたらよかろう

>>748
こんな奴やつは沢庵石たくあんいしをつけて海の底へ沈しずめちまう方が日本のためだ

>>316
画学の教師は全く芸人風だ

とにかくせっかく君が来たもんだからここで失敗しちゃ僕等ぼくらも君を呼んだ甲斐かいがない

おれがはいったのを見てみんな申し合せたようにおれの顔を見た

>>895
バッタだろうが雪踏せっただろうが非はおれにある事じゃない

向側むこうがわを見ると青嶋あおしまが浮いている

>>970
それじゃ何を気を付けるんですい

>>346
正体の知れない時は多少気味が悪わるかったがバッタと相場が極きまってみたら急に腹が立った

>>277
しかしこうなると四畳半も引き払わなければならん

>>413
宿屋のものは変な顔をしていた

おれは生れてからまだこんな立派な座敷へはいった事はない

なんでバッタなんかおれの床の中へ入れた

竪町たてまちの四つ角までくると今度は山嵐やまあらしに出っ喰くわした

間抜まぬけめ

>>22
越後えちごの笹飴ささあめが食いたければわざわざ越後まで買いに行って食わしてやっても食わせるだけの価値は充分じゅうぶんある

感心しちまった

金があって清をつれてこんな奇麗きれいな所へ遊びに来たらさぞ愉快だろう

見ると今夜も薩摩芋さつまいもの煮につけだ

>>481
陸おかへ着いた時もいの一番に飛び上がっていきなり磯いそに立っていた鼻たれ小僧こぞうをつらまえて中学校はどこだと聞いた

>>311
すると東京はよい所でございましょうと云ったから当あたり前だと答えてやった

陸おかへ着いた時もいの一番に飛び上がっていきなり磯いそに立っていた鼻たれ小僧こぞうをつらまえて中学校はどこだと聞いた

>>759
しかし呼び付けるよりは感心だ

うらなり君は活版で押おしたように下等ばかりへ乗る男だ

おれは前に云う通りあまり度胸の据すわった男ではないのだが思い切りはすこぶるいい人間である

丸提灯まるぢょうちんに汁粉しるこお雑煮ぞうにとかいたのがぶらさがって提灯の火が軒端のきばに近い一本の柳の幹を照らしている

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九円じゃ東京までは帰れない

僕ぼくが話さないでも自然と分って来るですね吉川君

>>807
山嵐は妙みょうな顔をしていた

>>301
おれは何事が持ち上がったのかと驚ろいて飛び起きた

ただ懲役ちょうえきに行かないで生きているばかりである

取らない法があるか

あなたのはたしか――あなたのはたしかじゃが――

>>322
こんな土百姓どびゃくしょうとは生まれからして違うんだ

当り前ですなと野だが答えている

バッタが一人でおはいりになるなんて――バッタにおはいりになられてたまるもんか

>>167
しかしだんだん分ります僕が話さないでも自然と分って来るですと野だは赤シャツと同じような事を云う

そんなら君の指を切ってみろと注文したから何だ指ぐらいこの通りだと右の手の親指の甲こうをはすに切り込こんだ

勘太郎は無論弱虫である

幾尋いくひろあるかねと赤シャツが聞くと六尋むひろぐらいだと云う

見つめていても眼めがくらむ

可哀想かわいそうにこれでもまだ二十四ですぜと云ったらそれでもあなた二十四で奥さんがおありなさるのは当り前ぞなもしと冒頭ぼうとうを置いてどこの誰だれさんは二十でお嫁よめをお貰もらいたのどこの何とかさんは二十二で子供を二人ふたりお持ちたのと何でも例を半ダースばかり挙げて反駁はんばくを試みたには恐おそれ入った

おれは海の中で手をざぶざぶと洗って鼻の先へあてがってみた

浮がなくって釣をするのは寒暖計なしで熱度をはかるようなものだ

>>959
おれなんぞはいくらいたずらをしたって潔白なものだ

それにしても早くうちを持ての妻さいを貰えの来て世話をするのと云う

>>361
嘘うそをつきゃあがった

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物理学校でさえおれくらいな声が出るのに文学士がこれじゃ見っともない

>>14
おれは様子が分らないから博物の教師と漢学の教師の間へはいり込こんだ

可笑おかしい事に釣れるのも釣れるのもみんなゴルキばかりだ

>>871
その年の四月におれはある私立の中学校を卒業する

>>121
　いよいよ学校へ出た

おれが馳け出して二間も来たかと思うと廊下の真中で堅かたい大きなものに向脛むこうずねをぶつけてあ痛いが頭へひびく間に身体はすとんと前へ抛ほうり出された

その上に女が天目てんもくへ茶を載のせて出す

それが少し込み入ってるんだがまあだんだん分りますよ

>>985
船頭に聞くとこの小魚は骨が多くってまずくってとても食えないんだそうだ

なまじい保護を受ければこそこんな兄に頭を下げなければならない

>>276
おれは筒っぽうを着た男からおれの革鞄かばんを二つ引きたくってのそのそあるき出した

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するとこの時まで隅すみの方に三人かたまって何かつるつるちゅうちゅう食ってた連中れんじゅうがひとしくおれの方を見た

>>180
好いい気性なら清以外のものももう少し善くしてくれるだろうと思った

馬鹿あ云え

>>937
　道中どうちゅうをしたら茶代をやるものだと聞いていた

>>355
いつまで行ってもなもしを使う奴だ

釣や猟をしなくっちゃ活計かっけいがたたないなら格別だが何不足なく暮くらしている上に生き物を殺さなくっちゃ寝られないなんて贅沢ぜいたくな話だ

　おれは教頭に向むかってまだ誰にも話さないがこれから山嵐と談判するつもりだと云ったら赤シャツは大いに狼狽ろうばいして君そんな無法な事をしちゃ困る

あなたもお見受け申すところ大分ご風流でいらっしゃるらしい

単にこればかりではない

おい天麩羅を持ってこいと大きな声を出した

>>74
おれはそんな事には構っていられない

>>821
　二時間目に白墨はくぼくを持って控所を出た時には何だか敵地へ乗り込こむような気がした

>>632
　おれは教頭に向むかってまだ誰にも話さないがこれから山嵐と談判するつもりだと云ったら赤シャツは大いに狼狽ろうばいして君そんな無法な事をしちゃ困る

>>932
野だのようなのは馬車に乗ろうが船に乗ろうが凌雲閣りょううんかくへのろうが到底寄り付けたものじゃない

おやじは何にもせぬ男で人の顔さえ見れば貴様は駄目だめだ駄目だと口癖のように云っていた

>>698
すると前に居た野だが突然起立したには驚ろいた

どんな町でどんな人が住んでるか分らん

さっきから船中見渡みわたすが釣竿つりざおが一本も見えない

>>483
このくらいの事なら明後日は愚おろか明日あしたから始めろと云ったって驚ろかない

三度目に床へはいった時は少々落ち付いたがなかなか寝られない

>>933
奥さんがあるように見えますかね

>>707
六月に兄は商業学校を卒業した

太い孟宗もうそうの節を抜いて深く埋めた中から水が湧わき出てそこいらの稲いねにみずがかかる仕掛しかけであった

商買をしたって面倒めんどくさくって旨うまく出来るものじゃなしことに六百円の金で商買らしい商買がやれる訳でもなかろう

>>912
帳場に坐すわっていたかみさんがおれの顔を見ると急に飛び出してきてお帰り……と板の間へ頭をつけた

何だか訳が分らない

>>62
鬼神きじんのお松まつじゃの妲妃だっきのお百じゃのてて怖こわい女が居おりましたなもし

考えてみると世間の大部分の人はわるくなる事を奨励しょうれいしているように思う

>>50
ところがある日三階から威勢いせいよく下りて今日も泳げるかなとざくろ口を覗のぞいてみると大きな札へ黒々と湯の中で泳ぐべからずとかいて貼はりつけてある

単にこればかりではない

しかしこうなると四畳半も引き払わなければならん

>>905
めったに笑った事もないが余計な口をきいた事もない

>>643
東京から便りはないか便りはないかてて毎日便りを待ち焦こがれておいでるじゃないかなもし

生徒があばれるのは生徒がわるいんじゃない教師が悪るいんだと公言している

>>670
今にいろいろな事を書いてやる

おれは前に云う通りあまり度胸の据すわった男ではないのだが思い切りはすこぶるいい人間である

生徒は生徒としてこの点については校長からとくに責任者にご注意あらん事を希望します

>>679

兄は何とか会社の九州の支店に口があって行ゆかなければならん

あなたのはたしか――あなたのはたしかじゃが――

兄は家を売って財産を片付けて任地へ出立しゅったつすると云い出した

>>560
わるい事をしなけりゃ好いいんでしょう

あんまり腹が立ったから手に在った飛車を眉間みけんへ擲たたきつけてやった

校長でも尋たずねようかと思ったが草臥くたびれたから車に乗って宿屋へ連れて行けと車夫に云い付けた

>>164
なあるほどこりゃ奇絶きぜつですね

女の方はちっとも見返らないで杖つえの上に顋あごをのせて正面ばかり眺ながめている

また小使を呼んでさっきのバッタを持ってこいと云ったらもう掃溜はきだめへ棄すててしまいましたが拾って参りましょうかと聞いた

当り前だ

自分で自分のした事が云えないくらいならてんでしないがいい

>>379
しかし清の眼から見るとそう見えるのだろう

>>468
三時になると受持級の生徒が自分の教室を掃除そうじして報知しらせにくるから検分をするんだそうだ

弱虫の癖くせに四つ目垣を乗りこえて栗を盗ぬすみにくる

>>496
野だが山嵐を見て天麩羅てんぷらと云って目くばせをしたが山嵐は取り合わなかった

ついでだから一杯食って行こうと思って上がり込んだ

これで海だとは受け取りにくいほど平たいらだ

この野だはどういう了見りょうけんだか赤シャツのうちへ朝夕出入でいりしてどこへでも随行ずいこうして行ゆく

>>240
乱暴で乱暴で行く先が案じられると母が云った

云えてて入れんものを説明しようがないがな

実の熟する時分は起き抜けに背戸せどを出て落ちた奴を拾ってきて学校で食う

と云ってぴんぴんした達者なからだで首を縊くくっちゃ先祖へ済まない上に外聞が悪い

おれには到底とうていこれほどの度胸はない

おれは単簡に当分うちは持たない

君は学校に騒動そうどうを起すつもりで来たんじゃなかろうと妙みょうに常識をはずれた質問をするから当あたり前まえです月給をもらったり騒動を起したりしちゃ学校の方でも困るでしょうと云った

六人だろうが十人だろうが構うものか

兄は実業家になるとか云ってしきりに英語を勉強していた

>>147
田舎巡いなかまわりのヘボ絵師じゃあるまいしそんなものは入らないと云ったら今度は華山かざんとか何とか云う男の花鳥の掛物かけものをもって来た

中にはおれより背が高くって強そうなのが居る

おれなら即席そくせきに寄宿生をことごとく退校してしまう

気の利かぬ田舎いなかものだ

今から考えると馬鹿馬鹿ばかばかしい

それでこそ一校の教頭で赤シャツを着ている主意も立つというもんだ

どうせ嫌いなものなら何をやっても同じ事だと思ったが幸い物理学校の前を通り掛かかったら生徒募集の広告が出ていたから何も縁だと思って規則書をもらってすぐ入学の手続きをしてしまった

考えると物理学校などへはいって数学なんて役にも立たない芸を覚えるよりも六百円を資本もとでにして牛乳屋でも始めればよかった

今日は露西亜文学の大当りだと赤シャツが野だに話している

>>570
吉川よしかわ君と二人ふたりぎりじゃ淋さむしいから来たまえとしきりに勧める

>>546
おれが馳け出して二間も来たかと思うと廊下の真中で堅かたい大きなものに向脛むこうずねをぶつけてあ痛いが頭へひびく間に身体はすとんと前へ抛ほうり出された

強者の権利ぐらいなら昔むかしから知っている

>>219
それにしても世の中は不思議なものだ虫の好かない奴が親切で気のあった友達が悪漢わるものだなんて人を馬鹿ばかにしている

>>597
バッタが一人でおはいりになるなんて――バッタにおはいりになられてたまるもんか

>>739
婆さんは何なんにも知らないから年さえ取れば兄の家がもらえると信じている

>>196
少し待たなくっちゃ出ません草臥くたびれますからお懸けなさいとまた勧めてみた

話せない雑兵ぞうひょうだ

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