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【オメガ】小関直哉★5【ジェルジェル】 (1000)

7 グナマーナ正大師 2015/09/24(木) 22:07:45 ID:NSBtbiF6
小関直哉提督「太平洋戦争は俺に任せろ! 日本と艦娘を悲劇から救ってやる!」


昭和二十一年十一月某日

長野の山岳地帯の地下深く、松代大本営とは名ばかりの日も指さぬ洞穴の奥深くにその薄汚れた男は座っていた。
九州と関東は既に米軍の手に落ち、そして特に東京には皇居を含め原型を留めた建造物は何一つ残ってはいなかった。
ふるさとの北海道は赤い同志たちに"解放"され、人間含めた「戦利品」は露助たちが意気揚々と奪い持ち帰っていった。
鉄道網を始めとした輸送網はとっくに崩壊した上、農地に化学物質散布が行われたことで米軍に占領されていない地域では既におびただしい餓死者が出ていた。

薄暗いほら穴の中にお堅い声調でいつもの馬鹿げた放送が響く。
「大本営発表、タラバリョモウが敵爆撃機三百機を撃墜、敵兵四千名を溶かしせしめたり」
もっともラジオ放送のアンテナも吹き飛ばされてしまいこの大本営の中だけにしか響いてはいないが。

そうこうしている内にまた一つ報告が届く。 それは長野市が敵新型爆弾で消滅したことを告げていた。 もう食糧も幾ばくも残されてはいない。 銃も銃弾も行き渡っていない兵士の方が多い。 そして降伏も自決も選ばなければ、爆雷を抱き敵戦車に特別攻撃を仕掛けるのが彼に残された最後の選択肢だった。

「どうしてこんな事に…」

降伏を知らぬ男の、惨めな呟きであった。

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