21 - 虚無呼弖 ◆AbDmhTCTZY 2021/10/18(月) 03:00:53.94 ID:ytNyZtx30
大きな数を扱うにあたって有効な方法はいくつかある
例えば11^10を考える際、11を10回かけ算するのは少々骨が折れる
そこで有効なのが「二項定理」である
11^10は(10+1)^10と分けることができ、後は二項定理に従って一般項10Cn×10^n(0≦n≦10)を考えてすべて加えることで計算できる
また、大きな数になるものと言えば数列の総数である
数列の総数を求める際に厄介となるのでΣの計算であり、一般項が分かればよいのだが分からない場合に考え方の糸口となるのが「部分分数分解」である
Σ[1,n]1/(k+a)(k+b)を求める際、a≠bの条件を満たせば
Σ[1,n]1/(k+a)(k+b)={1/(b-a)}{(1/(k+a)-1/(k+b)}といった風に部分分数分解が可能である
これによって途中の計算を大幅にカットできる
大きな数を扱う時は仮想条件により考えないという逃げ道もある
小さな数を扱う時にも有効な手段である
これは物理においてでも有効で、例えば摩擦係数が極めて小さい場合、物体は「なめらかな板」の上に置かれていると見なすことができ、摩擦力が働いていない仮想環境として考えることができる
更にはある値に限りなく近づく関数を考える際、ある値を無限大だと仮定すると、限りなく大きな数に向かうものだと見なすことができる
本来ならば「|f(x)-b|<ε」、即ち一様収束を示すのが一般的だが、それが面倒な場合では関数の概形を予想して極限で飛ばしてしまうのが手っ取り早い
このように、ものすごく大きいもの(小さいものもだが)は扱いにくいと思われがちだが、実際は計算の工夫や仮想条件を考えることで案外あっさりと克服できることもある