44 - ◆P.Ehx9L4jo 2022/11/13(日) 11:57:34 ID:I55kKH6Y0
と著述しているが、マインドコントロールと集団心理、そしてその狂気を理解していない者の理想論だと言わざるを得ない。
もし死刑という抑止力があるのなら、その前に起きた殺人事件の段階で働いているだろうというのが筆者の考えである。
最後に気になった事は本書全体を通してにじみ出る「当職は反省している受刑者だ、お前ら有象無象の受刑者とは違う」という優越意識である。
詳しくは読んでくれる方々に任せるが一例としては『犯罪者なのだから余計なことなどしないで反省と贖罪だけしていろ』という意見に対しては、
『私の人生は第一に私のものであり、他者の評価は眼中にないので変わることはない』と反論しているが、本当に反省をしている者の態度だろうか?
被害者の母親からの『死刑にして欲しい、それができないのなら、一生、刑務所に入れておいて欲しい』という言に従うのは矛盾しているし、
そもそも反省というものはそれができない他者を非難する棍棒ではないからだ。
筆者は前著『人を殺すとはどういうことか』の書評にて、著者を「認知が歪んだ犯罪者」と批判したが、
本著を読んでそれが変わっていない事に人間の難しさを感じたひと時だった。
(1141字)