43 - ◆P.Ehx9L4jo 2022/11/13(日) 11:57:07 ID:I55kKH6Y0
美達大和『罪を償うということ 自ら獄死を選んだ無期懲役囚の覚悟』小学館新書
前著『人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白』と同じく、2件の殺人事件を起こし、無期懲役囚として同じ重罪を犯した面々を内部からつぶさに見つめていく続編。
全般において刑務所のしくみや、所内での生活や刑務所職員・受刑者の心情を記した本である。
ここで刑務所で服役している受刑者の特徴として「エゴイズムの強さ」「倫理観の希薄さ」「自分だけは常に正しいと考える」「知的能力の低さ」「自分の事しか話さず、相手のいう事を聞かない」を挙げており、
東海道新幹線の殺傷事件やオウムのサリン事件等をも取り上げ、それ故に死刑は必要だと著者は主張している。
しかし本当にそうなのだろうか?と筆者は考える。
なぜなら筆者の経験になるが、同じような特徴を持った人物(障害者が多かったが)と関わった事がある。
彼らは受刑者になるどころか犯罪を犯さず生きており、それは受刑者に特筆すべき事柄ではないという事。
個別の事件については新幹線の犯人の動機は極めて特殊な例である事、オウムのサリン事件については
『もし、オウム真理教の幹部たちが、早いうちに自分たちのしてきたことが発覚して逮捕されることを想起していたならば、
犯罪によって他者の生命を奪い続けることの恐ろしさに気付き、地下鉄サリン事件はみんなで教祖を説得する、実力行使で押さえつけるなどして、実行を思いとどまらせることができたかもしれません。
死刑は100%の死ですが、みんなであるいは一部の者で犯行を阻止しようとするなら、1%でも助かる道があったかもしれないからです。』