6 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2019/02/05(火) 14:51:08.31 ID:ehCmXO92I
本来ならば下から出るはずの物を上から吐き出させる。これこそが私の考える文字通り腹の底からの吐瀉物である。さて、説明している間に内視鏡が十二指腸に到達したようだ。洋の脂汗は床に水溜りを作り、黒光りする肥えた体がてらてらと映し出されている。体を動かすと苦痛が増すと理解したのか、その容態とは対照的に洋はぴくりとも動かない。そんな洋を見ながら私は内視鏡を幽門、小腸と胃を隔てる部位に突っ込んだ。一瞬目を見開き、体を僅かに反らす洋。しかし直ぐに体勢を戻し元の体位、苦痛を最小化する姿勢に戻る。一方で脂汗はいよいよ勢いを増し、洋の苦しみが手に取るようにわかる。長い旅は往路を終えて復路へと帰る。