哀しみの青年 (7)

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1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2018/09/02(日) 20:15:06.69 ID:wohvYSp40

僕の心はすっかり闇に呑まれていた。
あの日から、僕の日常は崩壊していった。大学、高校、名前、住所...全てを知られた。他人を欺き続けた自分は、過去、現在、未来を悉く失った。

奴らは僕の日常を壊した。滅茶苦茶にした。全てを奪った。

奴らを本気で殺したくなったことは何度もあった。画面の向こうで自分を嘲る奴らが、心底憎かった。復讐したかった。死んでほしかった。殺したかった。自分の日常を奪った代償を払わせたかった。



だが、あの日は今は遠いものとなった。
今なら言える。全てを失ったのは、他の誰のせいでも無い。

半分は諦めに近かった‐奴らは一人や二人ではない。全員に復讐するだなんて、出来る筈が無かった。出来る訳が無かった。
そんなことはすぐに分かることだ。

あの日の僕が憎い。あの男に力を借りたのが間違いだった。
そう、特定された日ではない。真に僕の日常を壊したのはあの男だ。



唐澤貴洋。奴が僕の全てを奪った。


あの日は未だに覚えている。
五反田のあの思い出すのも忌まわしいあの部屋。
親と共に、奴らを倒すための依頼を唐澤に頼んだ。
あの時はまだ信じていた‐弁護士の力があれば何とかなる、と。
平和な日常が戻ってくると。

唐澤は開示の効果について、何も言わなかった。
結果はすぐに分かった。ますます炎上を加速させるだけだ。
あの無能弁護士は、金だけを毟り取って逃げていった。
僕は日常を取り戻すことはできなかった。
学部と学科名まで開示され、この上からさらに失っただけだった。

僕が煽った奴らのおかげで唐澤の無能さが分かる、皮肉なものだ。
このことを知っていれば、僕はあいつになんか頼まなかった。
スレッドの立て方も知らない無能弁護士。
私刑を認めるモラルの欠片も無い悪徳弁護士。
依頼人をなおざりにして胡坐をかく害悪弁護士。

この男‐唐澤が、すべての真の元凶だ。


計画を立てたのはかなり前のことだった。
恒心教徒とかいうのだろうか、奴らが腰抜けなのはすぐ分かる。
誰も実行しようとはしない‐あの言葉を。

僕はそれを達成する。
あいつらより上位の存在であることを、改めて認識させてやる。
あの低学歴ゴミカスニート共とは違う。
僕はやる。

計画を実行すれば、本当に全てを失うのは知っている‐奴らと違いそこまで馬鹿ではない。
だが、あの男に壊された僕の人生は、失うほどの価値があるものなのだろうか。

もう僕には何も残されていない。最期にあの男を殺す。

僕は掲示板にアクセスした。
言ったらやる、当然のことだ。奴らとは違う。
僕はあの言葉を書き込み、部屋を出た。