16 - Let`sGO 素敵な世界 2018/05/31(木) 17:03:09.51 ID:zgMvcYUg0
「核に突っ込むンゴォオオ!!」
「逃げろぉおおお!!!」
マスクをした者と全身真っ黒な者達が作業から離れて逃げていく。
当職の目の前には、真っ赤に光り、電力を製造するマザーボードが……
「洋ぃ!!曲がるなりぃい!!!!!」
当職は父の頭を掴み、コントローラーの如く思いっきり横に曲げる。漫画ならこれで曲がる筈ナリ!
ゴキリ
凄く、嫌な音がした。
洋の首は、激しく痙攣していたのが一瞬で静止。白目を向いてダラリと落ちる。
座らない首は、まるで生まれたての赤ちゃんのようであった。
――――諸君、お別れナリよ―――――
当職の身体と、洋の身体は勢いが死ぬことなく、このビルの核であるマザーボードに突っ込んだ。
大きな光が当職と洋を包み、巨大な轟音が響いていたのが一瞬にして聞こえなくなる。
無音と光の中で、当職を包んでいたスーツと段ボール弁護士バッチは一瞬で炭となる。
洋の身体が光に包まれ、どんどん崩れていく様は、当職に死亡宣告を突きつけるようだった。
でも、父と一緒に死ねるなら、それも良いかもしれない。
一筋の涙が当職の頬を伝い、崩れがとうとう当職の身体に差し掛かろうとしていた。
「よう、こんな所で奇遇だな」
「お前は…祥平?何でこんな所に―――」
「ケツ出せ」
後ろから祥平に抱き着かれると、とうとう下半身だけになった洋を蹴り、恒心音楽制作事務所のビルから脱出した。
ビルから落ちていくとき、光り輝くあのビルのワンフロアを眺めていた。
それは、この薄汚れたような色をした空の中で、とても、とても綺麗に輝いていた――――