15 - Let`sGO 素敵な世界 2018/05/31(木) 17:02:27.49 ID:zgMvcYUg0
「洋…と、当職ナリよ?唐沢貴洋、父である洋の息子であるナリよ」
「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「洋、よ、良ければ、少し出産を我慢して欲しいナリ、め、目の前にビ、ビルが―――」
当職の苦労もむなしく、父洋の勢いは当職の身体ごと、巨大なビルの中に突撃してしまった。
「えっ」
ビルの中には、重火器や爆弾、大量の初音ミクや当職のダーキニーの覆面を被った奴らが鉄砲を構えていた。
壁には、MMD杯という文字と、初音ミクの姿が書かれたポスターがあった。
あ、こいつらがテロリストナリか。でも、この勢いでは、当職は彼らを止める事も話す事も出来ない。
だが、当職にとっては凄くどうでも良い事であった。
「ああああああああああああああああああ!!!!」
未だに絶叫しながら勢いが止まない父洋。
とうとうビルを突き抜けると、再び妙な色をした空の下に当職の身体と父の身体が飛ぶ。
後ろで巨大な轟音と爆発音が響いた。どうやら先ほどの父の身体の勢いの衝撃波で爆弾が起動してしまったらしい。
いつも当職なら、当職のせいで命を落とされてしまった事に合掌するのだろうが、今は当職の股間の痛みと異常な体験に同情する事すらできない。
寧ろ、今のこの可哀想な当職の姿を見て彼らが当職に同情するべきなのだ。何故上級国民である当職が下等生物であるテロリストなんかに合掌しなくてはならないのだ。
「洋!止まるナリ!と、当職達の目の前には!ま、またビルが!」
そこには、元の世界には無かった大きなビル、当職が知っている世界では、そこは小さなアパートだった場所の筈だが。
そこは恒心音楽制作事務所と書かれたビルが―――
「ああああああああああああああああああ!!!!」
また、ビルを突き抜けると、その部屋には当職の顔と当職が所属する事務所のマークが書かれた音楽CDや、コインやポスターが製造されていた。
ベルトコンベアーにいくつも並ぶその光景は、まさに圧巻であった。
いくらイケメンである当職の顔とは言え、こんなに並ぶと気持ちが悪い。イケメンの顔がいくつも並ぶと蓮コラなのと同じである。