10 - Let`sGO 素敵な世界 2018/05/31(木) 16:57:44.40 ID:zgMvcYUg0
「こら!何をしているナリ!?それは当職のものナリ!」
当職はすかさず、山岡くんの沈んでいく椅子を掴む。
「あっ」
掴んだ瞬間、運動不足であった当職の足は捻り、当職の身体は虹色の液体の中に沈んで行った。
「あああああああああああああああああああああああああああああああ (ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ )」
今度は白濁液を前からではなく、固形物の混じった茶色い液体を後ろから放出してしまう。
放出しながら虹色の液体の中に沈むと、当職はとんでもない光景を見てしまった。
「ファッ!?」
当職の目には、信じられない光景が映っていた。
まず、空の色は何色か、少なくとも当職の知っている空の色ではない。
山岡くんの椅子を両手に持ちながら、階段状のビルが並ぶ街の空から落ちる。
どんどん地面に近づいていくと、地面の色も当職が知っている色ではなくなっていた。
真っ白なのだ。あの空に浮かぶ雲のように…く、雲?え?曇ってあんな色だったナリ?
「な…なんナリかぁぁあああ!!!?これぇえ!!!」
山岡くんの椅子に必死にしがみつき、地面に落ちていく当職の身体は勢いを増していく。
建物の色は真っ黒だったり灰色だったり、そこは当職のしっているビル群だったけど、形がどれもおかしい。
こんな変な世界で、何も知らないまま当職は死ぬのだろうか。それはとても嫌であった。
何故なら当職は……
「当職は!上級国民ナリ!誰か!助けるナリィイイイ!!!」
地面まで後一メートル。
当職の身体は、山岡くんの椅子と一緒に、地面に、叩きつけられた。