303 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2018/04/10(火) 13:11:50.41 ID:K0g5oAzt0
「パパ、どんな姿になっても、大好きナリよ・・・」
絞り出すように変わり果てた父に語りかける息子、その時であった。
父も涙を流したのだ。
「たか・・・ひろ・・・」
その瞬間、目映い光が父の体を包み込む。
光が消えるとそこには、傷は消え、純白のモミアゲが生えた父が白い衣服に身を包み空中浮遊していたのだ。
「心配かけたのぉ、息子よ」
突然の出来事に驚きを隠せない元同僚たち。
「バカな、手術は完璧だったはず・・・何故!?」
「記憶は脳にあるんじゃない、心にあるんじゃよ、息子がそれを思い出させてくれたのじゃ」
ゆっくりと近づいてくるそれに元同僚たちは死を覚悟した。
「もうダメだ・・・」
「おしまいだぁ・・・」
次の瞬間、元同僚たちの頭にポンッと手が置かれた、そしてワシャワシャと撫でてくるではないか。
「大事な大事な息子の友達、それはワシの息子も同然、どうして手が下せようか」
父の手が光り、元同僚たちが包まれる。
「さぁ、元の優しい二人に戻っておくれ」
同僚たちは気を失ったのかその場に横たわっている、しかし、何かに取り付かれたような虚ろさは消え、ごく普通の青年に戻っていた。
「パパぁ!」ブリブリブチチィ
泣きじゃくる息子を抱き寄せながら父は外を見る
「ワシの大事な息子たちにこんな事を・・・まったく、あのお方にも困ったもんじゃ」
外は真っ暗だ、しかし父の目にはほくそ笑む会長の姿がしっかりと映っているのであった・・・