178 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2017/12/01(金) 11:30:28.57 ID:FMvVzWhWi
静まり返った室内、時計が時を刻む音だけが響いている。
そんな中、あの音が、確かに聞こえた。
パチッ
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
先ほどまでの静けさは一転、耳を覆いたくなるほどの奇声、建物を揺らすほどの轟音、後輩の悲痛な叫び声が響き渡る。
そうか、彼はやってしまったのだ、あれほどーーーやるなと言ったのにーーーッ!
ドアがミシミシと悲鳴を上げ隙間から茶色い液体が染み出してくる、後輩の悲鳴はもう聞こえない、否、もう助けを呼ぶ声すら発する事が出来ないのだ、あれに飲まれてしまったのだから。
茶色の濁流がドアを突き破ると同時に男は走り出す、あれに飲まれてはならない、その一心で。
男はそのまま非常階段へ、そして、階段を駆け・・・上がる!
消火器、警備員、元アイドル達、あらゆるものを飲み込みながら迫る茶色い濁流を背に走る姿美しい。
そして屋上に到達、もう逃げ場は無い、だが男は迷わずそのまま手すりを踏み台に跳躍!
綺麗な弧を描きながら隣のグラウンドへ着地した。
振り返った男が見た物はかつての面影などない、ありとあらゆる場所から汚物を垂れ流すビルであった・・・