6 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/04/30(日) 14:48:36.34 ID:TnsSuj4G0
私はカッターの刃を彼に向け、それを彼の背中に突き刺そうと駆け出す体勢のまま固まっていた。
心臓は飛び出さんばかりに大きく音を立てていて、動かし方を忘れた体はピクリともしない。嫌な汗が額を伝った。
部屋にあるすべてが止まって見えた。
時計も、ラジオも、鏡も、机も。
けれども時間は確かに、ゆっくりとその間を流れていて、
それを貫くように洋一の視線が私をじっと捉えていた。