4 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/04/30(日) 14:47:28.71 ID:TnsSuj4G0
決めたのは朝だった。
コンコンというノック音は母親が朝飯を持ってきたときの合図だ。
大して腹が減っているわけでもなく、いつもは空腹を感じるまでドアの外に放置しておくのだが、私はドアへと向かっていた。
それは気配を感じたからであり、その気配は私が最も嫌いな人間が発するものであり、ドアを開けると案の定、
嫌な奴が、洋一が立っていた。
「兄さん、もう三ヶ月になるよ…。行こうよ学校。こんな兄さん、見たくないよ。なんなら僕も一緒に…」
言い終わらないうちに私は感情に任せて拳を振り抜いた。洋一がよろめく。
「待って、兄さん。これを」
洋一は何かを差し出したのが見えたが、私は構わずドアを叩きつけるように閉めた。
分かっていない。あいつはなんでも出来て、なんでも持っていて、なんでも知っているようで、本当に何一つ分かっていない。
こんなのは、今日で終わりだ。今日で終わらせる。今日、殺す。