16 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/04/30(日) 14:53:56.58 ID:TnsSuj4G0
どれくらい経っただろうか。
部屋にあるすべてはまた同じように動き出していた。
時計も、ラジオも、鏡も、机も。
ただひとつ、すっかり冷たくなってしまった洋一だけを取り残して。
私は何もできない人間だけど、
ただ一つの、忘れてはいけない、やらなければならない使命を持っていたのに。
分かっていないのは私の方だったのだ。
洋一は何でも出来るようで、なんでも知っているようで、なんでも持っているようで、本当に何も持っていなかったのに。
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
私はやっと発することが出来るようになった声を振り絞って叫んだ。
窓に見える外に向かって吠えた。そのまま泣いた。体にある全てを外に吐き出すつもりで。
そしてその夜、私は決めた。もうこんな悲劇は繰り返さない。
待っているだけでは幸せは訪れない。
私が創り出すのだ。
誹謗中傷なんてない、本当に優しい世界を。