14 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/04/30(日) 14:52:21.44 ID:TnsSuj4G0
「洋一!怯えるのはもう終わりナリ!」
私はしゃがみ込んだ洋一の手を無理矢理に引っ張って立たせた。
その瞳を見つける。
「でも…」
弱気な洋一を私は遮る。
全てが敵に見えるなら、それから守るものがあればいい。
「洋一の側に居る当職が居るナリ。当職がずっと側に居るナリ。
喉が乾いたら当職に言うナリ。お前が好きな飲み物をすぐに持ってきてやるナリ。
腹が減ったら当職に言うナリ。お前が好きな食べ物をすぐに持ってきてやるナリ。
お前を苛める奴がいたら、当職がこらしめてやるナリ。」
私は自信満々に言った。兄とはそういうものなのだ。
「本当…?」
洋一の目から怯えが消えていくのが分かった。本当さ、お前は私が守る。
「世界中が洋一の敵になっても、当職が洋一の味方になるナリ!」
「ありがとう、分かったよ。兄さんは…本当にやさしい。」
「当職が、洋一を守るナリ!」
私の手を握る洋一の手にぎゅっと力が入るのが分かった。