4 - 4/4 2017/02/07(火) 10:01:07.49 ID:t4TBDhcUi
「今日の『突貫!プロの日常』はMさんの紹介で何故かストッキングを被っている弁護士の唐澤さんです。」
「弁護士の唐澤です。」
貴洋は思わず生返事をしてしまった。NHKと違ってリハーサルが無い事実に身が震えている。
「唐澤さんは朝食はガッツリいただく派のようですが、いつもバター揚げを食べているのですか?」
―――貴洋は焦燥していた。
テレビに出ているのにスーツがテッカテカなのだ。
唐澤のスーツテッカテカでワロタなどと言われると思うと貴洋は焦燥せざるを得ない。
そこで貴洋はスーツを脱いだ。
「えっ唐澤さん、なんで脱ぎ始めてるんですか?!」
「【アンノォ・・・】キャアアアアア!!」
―――貴洋は怒っていた。
可愛いダーキニーとの逢瀬を下級国民の取材ごときに邪魔された事への怒りである。
「どうしたんですか貴洋さん、急に顔を真っ赤にして。」
「尊師の顔真っ赤っ赤で笑うわこんなん」
―――貴洋は恐怖していた。
野次馬の中に恒心教徒がいることに気がついた貴洋は視線を野次馬に向ける。
しかし、貴洋を取り囲む野次馬たちの視線は、中学での同級生の冷たい視線によく似ていた。
あるものは忌避し、あるものは嘲笑してくる彼らの、氷のような視線に貴洋は恐怖した。
「あああああ・・・」
貴洋を凄まじい腹痛が襲う。
ストレスとアサガオの種が効いてきたのだろう。
「あああああああ!!」
しかし叫びの原因を一つの事象に求めることはできない。
腹痛だけでも、怒りだけでも、焦りだけでも、恐怖だけでもない。
「ああああああああああああ!!!!(ブバッ!ブリュリュ!!ブリブリュリュ!!!!)
ただ、その叫びは、
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
魂の絶叫であった。