恒心元年 (40)

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8 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2017/01/19(木) 21:54:14.51 ID:Kf/Zp3OW0

死を覚悟した瞬間、群衆の中に一台の車が突っ込み、運転していた男が当職を車の中に引きずりこんだ。

「山岡君ナリか…?」

運転していたのは嘗ての同僚、山岡だった。

「さっき事務所に長谷川君が血走った目をして飛び込んで来ましてね。からさんが赤ちゃんの件を洋さんに報告に来ると思ったんでしょう。」

「けどパレードが長引いてるもんだから業を煮やして出てったっぽいんすよね」

助手席に座る元部下、山本が続ける。

暴徒化した群衆が見えなくなるところまで走ると車は静かに停止し、二人は当職の傷の手当てを始めた。

「からさん……どうして優しい世界なんて創ろうと思ったんですか」

「だって……山岡君は当職のこと性処理用の肉オナホとしか見てくれないしパパは過保護だし」

「それって結局自分にとって都合のいい世界を創りたかったってだけなんじゃないの」

山本に痛いところを突かれてしまう。
当職が返答に詰まっていると山岡が声を絞り出した。瞳には涙まで浮かんでいる

「からさんにはそんなもの必要なかったんですよ……照れくさくて言い出せなかったけど僕はからさんの事心の底から愛していたんです……っ」

治療中色々な事を聞いた。山岡は当職のお目付け役ではなく、父の仕事関係で出会った際に一目惚れをし洋に頼み込んで事務所に入れてもらっていたこと。
山本は意地悪な後輩を演じていたもののいつも心配してくれていて、当職が帰って来るまで残業したりけんま民を追い払ってくれたりしていたことなど。

「洋さんだって厚史さんが亡くなってからからさんの為にできるだけの事をしてくれていたんですよ……」

「みんな……本当に当職の事を思ってくれていたナリか……?」

ここにきてようやく自身の過ちに気づくももう取り返しはつかない所まで来てしまったことに当職はひたすら慟哭した

「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」