恒心元年 (40)

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7 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2017/01/19(木) 21:51:11.83 ID:Kf/Zp3OW0

────そんな中、事件は起こった。
元ジュニアアイドルの側室が当職の子を妊娠した事を受けて当職は五反田でパレードを開催中だった。
その途中で嘗て事務所を構えていたビルの前を通過する際に見知った顔を見つけた。
7年前にネット炎上の鎮火を依頼してきた元少年だ。

次の瞬間、当職の腹にナイフが食い込んでいた。

「長谷川君…?」

当職は麻原の超越神力の残滓の上にあぐらをかいていた。これまで警察も自衛隊も当職に対して何も手出しが出来なかったために日本国内に敵はいないとたかをくくっていたのだが彼は例外だったのだ。
当職が意図的に炎上を長引かせて炎上ビジネスを行っていたことにより騒動に紐付けられていた彼はいつまで経っても鎮火することが出来なかった。

「先生だけいい思いするなんてワイは許さん…ワイは…ワイはずっと苦しいままなのに…!」

あまりに強い恨みの力によって長谷川には超越神力が通用しなかったのだ。

痛い。苦しい。
身体からナイフが引き抜かれるとともに身体から熱が奪われていく。
すぐさまその場から逃げ出そうとすると数多くの人間が退路を塞ごうとする。
長谷川に刺された弾みで自身を守っていた麻原の力が失われ、支配されていた者達の当職に対する憎しみの感情が爆発したのだと直感でわかった。