恒心元年 (40)

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1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2017/01/19(木) 21:40:46.38 ID:Kf/Zp3OW0

こんな世界なんて滅んでしまえばいいと何度思っただろうか。
当職は幼少期の頃からいじめに遭い、弟は不良に自殺に追い込まれた。大人になって弁護士という職に就いてからも自業自得の少年の炎上騒動に巻き込まれ5年近くも嫌がらせを受けているのだ。
この世界では誰も自分を守ってくれない。誰も自分を一人の人間として見てくれない。
今この瞬間だってそうだ。当職はベッドの上で四つん這いになって単なる性欲処理として同僚の肉棒のピストンをされるがままに自身の尻穴に受け入れている 。
そして目の前のPCモニター上に先日爆破予告で再逮捕された青年に手紙や差し入れを提案する主旨のスレッドがかなりのスピードで進行しているのが見える。
自分は彼とどこで人望的な差をつけられてしまったのだろうか。この青年はちっぽけな理由で全国の市役所や行政機関に多大な迷惑をかけているにも関わらず恒心教徒内から境遇を同情されたり精神面を気遣った書き込みをしてもらえる。
「脱糞」「無能」「弟殺し」「ぼったくり」「核兵器保有」など心無い書き込みをされる当職とは大違いである。

家柄は日本国内でもかなりのものだと思っているし、一般人が易々と合格できないような司法試験にも合格している。仕事は少し遅いかも知れないが自分が特段周囲の人間より劣っているとは到底考えられない。
こんな優秀な当職が何故このような目に遭わなければならないのか。同僚に犯されながらこの不条理な世界に苛立ちを覚える一方である。

「ねぇ山岡君。当職が優しい世界を創る為にはこれから何すればいいナリか」
「からさんは…何もしなくてもいいんじゃないですか」

同僚に問うても彼は腰を振り続けるのに夢中であっさりとあしらわれてしまった。
当然だ。この同僚は当職を無能と決め付けた父がお目付け役として用意したに過ぎない、当職の気持ちになんて関心の無い、当職の身体にしか興味が無い男なのだから。
当職の思い描く優しい世界なんてどうでもいいのだろう。

でも
それでも
当職は

人が人に優しい社会を作りたい─────。