8 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/01/09(月) 18:00:59.77 ID:cNTlGSU20
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白い蛇の夢を頻繁に見る。
はじめ一つだった蛇の頭がいくつかに裂ける。二つのときもあれば、五つのときもあった。あれは普通の蛇じゃない。化け物だ。化け物はいつも牙を剥いて、他の首を喰らう。
夢は、僕の無意識は、日に日にエスカレートしていった。蛇の目は恐ろしい。逃げたくても逃げられず、鋭い牙に噛みつかれそうになった夜は汗だくになって目を覚ました。
眠ることが恐怖に変わる。睡眠時間を極端に減らし、増えた時間は勉強をしているか、誰かとセックスをしていた。
無意識に棲む化け物を飼い慣らすのは非常に難しい。常に寝不足で目の下にクマを作っている僕をYくんは「エロい」と言った。「病院行った方がいいぜ」とも。
病院には行かなかった。年が明けてから、僕の不眠は意外な方法で解決したからだ。
僕は年が変わったのが嫌だった。若さには価値がある。そしてその価値は生きれば生きるほど薄れていく。金持ちはみな年老いていて、そして若い男が大好きだ。
老人でないのはマゾヒストのKくらいだろう。あれは僕と五つしか変わらない。僕は彼について気づいたことがある。あの惨めったらしい豚を虐待した夜だけ、僕はゆっくりと眠れた。
Kを四つん這いにさせて、その上に座って見るテレビはいつもより愉快だ。だらしない身体を縛り上げて鞭で打つのは快楽だ。
人格を否定されて情けなく射精した姿を嘲り笑うのはエクスタシーだ。奴を痛めつけるのは気持ちがいい。脳が真っ白になってガチガチに勃起した僕はオーガズムを得る。
帰ってきてからは清々しい気分で八時間も眠る。こういうやり方で無意識をなだめてやらないと、僕の蛇はまたすぐ暴れ出すに違いなかった。