6 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/01/09(月) 17:58:20.69 ID:cNTlGSU20
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季節が変わり、大学は冬休みに入った。
課題をこなしているとき、Yくんが僕の家にやってきた。
「よっす。あけおめ」
「何言ってんだよ……」
「今年もよろしく」
ニッと笑ったYくんが「なあ、腹減らね?」と言うので、僕はコートを着て街に出た。
イルミネーションのきらびやかな駅前で彼と食事したあと、ホテル街に向かった。今日はどこもいっぱいで、日本人もやることやってんだなとYくんはげらげら笑う。
ようやく見つけた部屋で、シャワーを浴びながら求め合った。
Yくんは年末年始は実家に帰らず、恋人と過ごすらしい。身体を拭きながら、あんまり気乗りしない様子でそれを僕に伝えた。
「俺、先輩のことすごい尊敬してるんだ。あの人は本当にかっこいいし憧れてる。でもなんつーかさ、一緒にいると寂しくなる」
「どうして?」
「だって住んでる世界が違うもん。お互い本質的には分かり合えないよ」
「そうかなあ……」
二人とも光り輝く世界にいるように思える。暗い僕には眩しすぎるくらいだ。
「でも一番意味不明なのはお前。頭いいけど馬鹿だし、ノーマルなのか変態なのか、普通なのか狂ってんのか分からない。どっちもなの? それって変だろ。お前のこと全然分かんない」
「……きみは僕を分かりたいの?」
「別に。いいやもう。もう一回やらせて」
「うん」