水蛇 (39)

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12 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/01/09(月) 18:43:21.57 ID:w0Fd3AQ40

 3

 こんな日に限ってKに会わなければならない。
 いつも通りKを縛るための縄を手に取ったとき、手が震えた。今から僕はKを痛めつけて、彼の尊厳を奪わなくてはいけない。
 Kを苦しめ、泣かせなければならない。苛烈な責めを受けていたときの苦悶の表情が蘇る。Yくんの涙を思い出した。
 ……僕にはできない。どうしても、できない。
 無意識に僕は「できません」と言っていた。震えている僕にKは首を傾げる。
「どうしてナリ?」
「……苦しいのは、誰だって嫌です。人を傷つけるのは、いけないことだ」
 涙が溢れてきた。
「じゃあどうして今まできみは私を痛めつけてきたナリか?」
「……」
「答えられないなら教えてあげるナリ。それはね、とっても気持ちがいいからナリよ。自分が一番分かっているはずだよね? 今更泣いても、きみのやってきたことは変わらないナリ」
 奇妙な威圧感を覚えた。それは、卑しい豚と蔑んできた彼から、今まで一度も感じたことのない恐怖だ。
 僕はただ「ごめんなさい」と繰り返した。Kは微笑む。そして僕の頬に流れる涙をやさしく拭った。
「きみも同じ痛みを味わってみるナリか?」
 そのとき、僕は全てを理解した。彼は、この瞬間のために豚に甘んじてきたのだ。
「さあ、おいで」
 衣服を剥ぎ取られ、陵辱された。

 2

 床にうつ伏せになったままぼうっとしている。全身が痛くて動く気が起きない。精液や排泄物、吐瀉物の悪臭にすら心が動かない。
 Kは僕を一晩中嬲り、僕が気絶している間に帰った。
 昨夜の僕は縛られて血が出るまで鞭で打たれた。あの巨体に圧し掛かられたら最早抵抗のすべなどない。
 肛門に器具を入れられた激痛で苦しんでいると、口をこじ開けられて小便をされた。飲まされた小便と一緒に胃の中のものを全部吐いた。
 えづき、鼻水なのか胃液なのか涙なのか、もう分からないものでぐちゃぐちゃになった顔に、更に精液までかけられた。
 何より屈辱だったのは、Kが僕の携帯を勝手に覗き見て、「きみはこのYくんっていう子が好きナリねえ」とニヤニヤ笑ったことだ。