5 - 5/6 2016/11/27(日) 14:43:30 ID:1N4Shq6U
僕が渾身の力で鉈を降り下ろすと「パカッ」という情けない音と共にからさんの頭が開示された。
結論から言うとからさんの頭の中身は何もなかった。
殆ど動揺しなかったのは何故だろうか。
脳みその無い人間など生きられる筈もあるまいに。
だけれどもからさんは洋さんの尻穴に突っ込んだら生き返るじゃないか、
普通の生物と同じように考えることが間違っているのだろう。
いや、死んだ生物が蘇るのはよく考えたら異常ではないか。
そもそも法律事務所でホモセックスに耽り、
時には父親と子を為す、史上稀にみる無能弁護士・・・
何故僕はそんなからさんを当たり前の存在であるかのように感じていた?
何故からさんはこんな珍妙な生物(38)になっている?
「それの方が面白いからです。良い暇潰しになるのです。」
彼女はケタケタと笑って語る。
「弟を始末してくれるなら何でもする、なんて」
分からない。
「おもちゃにしてくれと言っているようなものなのです。」
分からない、僕は何を知りたいんだ?
「簡単なことなのです。
あなたも、これで遊べば良いのです。」
ああ、そうか。
ようやくわかった。
僕が知りたかったことはからさんの頭の中身ではなかったのだ。
僕はようやく答えを得た。
「からさんはからさん」
それだけのことだった。