3 - 3/8 2016/11/24(木) 16:42:41 ID:/xsj/BnU
午前10時の事である。
法律事務所は営業を開始した。
さて、この事務所の業務内容は主にIPの開示である。それしかないとも言う。
IP開示の優先順位は一番が貴洋に関することで、次にその他である。
一見異常に見えるが、貴洋という男にとっては自分こそがこの世で最も大切なのだから至極当然の事である。
「こ、こいつ、当職を無能って書いたナリ!絶対に後悔させてやるナリ!」
今日も無能ボイスが虎ノ門に響き渡り、IPがまた一つ開示される。
IP開示だけでは何の意味もないというのに貴洋は勝ち誇って気味の悪い笑顔を浮かべていた。
彼はまた虚構の勝利を手にしたのである。
その後幾つかIPを開示すると、彼は満足して再びアイドル鑑賞を始めたのだった。