2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/09/12(月) 09:07:58 ID:2yDiYOpw
「あ、ようこそいらっしゃいました。今お茶を用意させます。」
見ると奥から、目のハイライトが消え、脳の機能を意図的に停止させているように見える女性が湯呑を片手にこちらに向かい、無言で手近なサイドテーブルを指差している。
私は目の前で起きている事変をなるべく避けるようにしてサイドテーブルへ向かい、腰を下ろした。
私はほぼ反射神経に従うような形で彼に尋ねた。「あの、何をなさっているんで?」
「ああ、今父を妊娠させていまして。」
天地の引っ繰り返る幻覚に耐えながら、脳内でまず最初の疑問を整理した。
どうも彼はHさんの息子なようだ。氏の業績を知っている私としてはまるで信じられない話だったが、やはり客観的な事実として信用するしかなかった。これがかねがね氏のおっしゃっていたT氏だそうである。
次にこちらの観点からはどうしても解決できない問題について尋ねることにした。
「お父様を妊娠させているというのはどういうことですか?男性は普通妊娠することなどないはずですが。」