超越神力vs超越神力 (22)

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7 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/08/24(水) 21:35:53 ID:HHaSA/W2

唐澤が静かに地面に着地した時は、もう闘いは終わっていた。
長谷川は無事に降ろされていた。
唐澤に駆け寄り、無事を確認しあう2人の弁護士。
だが麻原はまだ生きていた。
ボロボロになりながらも歩み寄り、そして唐澤の側へ。崩れ落ちるように膝をついた。
それに警戒する山岡と山本。しかし、それとは対照的に唐澤は優しく尋ねる。
「なぜこんなことをしたナリか?」

麻原は唐澤を見上げる。かつてオウム真理教の信者達が彼にしていたように。
「見抜いていたか…もう余力が無いことも……殺す気が無かったことも…」
山岡と山本は目を丸くする。一方唐澤は肯定の意を込め、軽く頷く。
「私はこのまま処刑される身…だが、逃亡していた信者達が捕まり、いざ死刑が現実的になった時……思ったのだ……冷たい処刑台に殺されるよりも、私に代わって……尊師と呼ばれた男に殺されたいと………」
「私もかつてはお前のように信者に囲まれていたものだ……自分をかばって立ち塞がるような信者に………」
「間違いを犯した私を終わらせて欲しいと………裁判の判決よりも……お前にポアされたいと…思ったの……だ…」

「望みは叶った……ありがとう尊師………KRSW尊師…………」
そう言うと麻原は目を閉じ、かざされた唐澤の手の下で、静かに息を引き取った。


「………愛なき時代に、愛を。」