超越神力vs超越神力 (22)

←← 掲示板一覧に戻る ← スレッド一覧に戻る

3 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/08/24(水) 21:26:45 ID:HHaSA/W2

唐澤が麻原と対峙したのは数秒前である。きっと超越神力だろう。彼の前にいきなり姿を現したのだ。

両者とも、驚く山岡に目配せもしない。
「お前が唐澤貴洋だな。」
「あなたが麻原彰晃か。実物を見るのは初めてナリ。」
「た、大変だ、早く通報しないとっ…?!」
山岡は慌てて通報しようとするが、携帯を取り出した瞬間にそれは捻じ曲がり、乾いた音を立てて割れてしまった。
山岡は思わず取り落とす。
おもむろに麻原が口を開く。
「唐澤。あれを見ろ。」

麻原の指の先を辿ると、そこにはビルに縛り付けられた長谷川がいた。気を失っているのだろうか。白目を剥いたまま、微動だにしない。
「長谷川くん?!なぜあんなところに!」
「超越神力だ。おい、唐澤!依頼人を取り戻したければ、私を殺してみせろ!」
麻原が手を前に突き出す。
「山岡ァ!逃げろ!」
唐澤が叫んだ瞬間、空気が唸る音と共に、2人の弁護士は吹き飛んだ。
肥きった身体のおかげであまり飛ばされなかった唐澤は、超越神力で上手く受け身を取ることができたが、その二つとも持たない山岡は電柱にまともに叩きつけられる。
かろうじて意識は保つものの、立ち上がれなくなった山岡。
そんな彼に目もくれず、麻原はさらに唐澤に追撃を加える。
超越神力で身体能力を急激に高めると、空中浮揚したまま唐澤に突進し、鋭い蹴りを加える。
だが、唐澤も最終解脱者である。ただの蹴りが通用するはずもなく、麻原の足は空中で止まった。そして、逆の方向に吹き飛ばされ、地面に転がされる麻原。

両雄が立ち上がったのは、ほぼ同時であった。