2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/08/21(日) 22:54:37 ID:OaUYigyw
だけど一つ心に引っ掛かることがあった。
タカヒロは、ほうれん草のピーナッツ和えが大嫌いで
その料理が寮で振舞われる時だけは
大田区にある行きつけの定食屋で食事を済ませついでに夜遅くまで遊んでいた。
まさか、今日寮でピーナッツ和えが出るわけがない
そんなの神様の悪戯でしか有得ない。僕はそう考えて思考を停止させた。
ショウヘイは夕方になるとタカヒロを待つためずっと寮の前に立っていた。
連日の勉強のおかげで体はクタクタだ。もう日も暮れてきた。
それでもショウヘイは待ち続けた。まるで初恋の人を待つ少年かのように。
もう石川行の夜行バスの時間だ。
寮を離れるショウヘイの目には大粒の涙がおぼろげにあふれ出ていた。
今朝タカヒロは寮でほうれん草のピーナッツ和えが出ると聞き
「ピーナッツ和えは大嫌いナリ!いつもの定食屋に行くナリよ~。」
そういって大田区まで行ってしまった。
食事を終えたタカヒロは多摩川を散歩していた時
ふと川に落ちていた手の平に収まる手頃な石を見つけた。
タカヒロは石を投げた。
すると河川敷を歩いていた駝鳥に”コツン”と石が当たった。
まるで神様の悪戯のように。