夏休みのしゅくだい (10)

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3 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2016/08/19(金) 13:15:09 ID:2xC67qxw

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「Kさん、起きてください」

YOの声が遠くで聞こえたような気がしたが、実際には目の前にいた。
目を擦り重い瞼を開くと、窓から夕焼けが瞳を刺激してきたので慌てて手でそれを遮る。
「もう終わっちゃいましたよ。」
YOが呆れ声で呟く。
終わった?何が?機器の準備が?
「まぁKさんの分も残してあるので明日の朝ご飯にでもしてください。」

焼けた肉と野菜、そして油と火の匂いが鼻を掠める。

まさか
当職の急な反応に驚くYOをよそに庭へ走る。

空はすっかりバーベキュー色に染め上がっていた。
なんということか。兎と亀の童話が脳裏をよぎる。
「バーベキューパーティは…?」
「ああ、さっき終えたよ。Tの寝顔があんまりにも気持ち良さそうでな、起こすのが心苦しかったんじゃ。一緒に食べれなかったのは残念じゃったが、まぁ皆楽しかったろうし、来年もまたやりたいのぅ。」

「来年じゃダメナリ!」
「? ど、どうした?T、いきなり大声出して」
駆けつけたYOと片付けをしていたYMも同時にこちらに視線を移す。

「また明日、ここでバーベキューパーティするですを」

「それは無理ですよ、Kさん。この別荘は明日から持ち主に使われるのでそ
「うるさいナリ!言う通りにするナリ!」
側に置いてあった、Hが使っていたのであろうアイスピックを手に取りYOに向ける。
最終的に出会ったのが武力だった。


全員が黙り込む。YMの携帯からゲームオーバーの愉快なBGMが流れたがそれも数秒のうちに消えた。

「Kさん、どうしてそこまで…?」
「YOは自分がどうなってもいいナリか!?三人はお互いに大事な仲間なのではなかったのですか。」
「どういうことなんじゃ、T、説明してくれ」
「とにかく、ここでもう一度バーベキューを、今すぐやるナリ!そうすれば全員助かるナリ!それを切に望む。」


またもや沈黙の空間が広がると思われたが、YMが手にしていた携帯を耳元に静かに当てた。
「……もしもし、警察ですか」

ドッ
肉に針が吸い込まれる鈍い音がした。
ドッドッドッ…
続けて何度も刺す。
「…なんで言う通りにしないナリか…」
アイスピックをつかいバーベキューというものを三人の心の中にきざみ恐怖心を植え付ければ 三人はバーベキューにもっと協力的になるのではないかと思いました。

二人とも動けなかった。目の前の出来事が現実なのか、自分を疑っている。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
奇声!
次はHに突き立てられた。
何度も、何度も、

YOは来る時に使ったレンタカーに向かって一目散に走っていった。
二人の返り血を浴び、夕陽の光彩で一層黒い影をおとすようになったそいつもそれを全速力で追う。

ガチャガチャ
車にたどり着くもドアが開かない。
残念でした、鍵はHのポケットに
もう1度バーベキューを

ドッ
背後から一撃。
YOは窓に血で手型をズルズルと遺し倒れた。

「……みんなで………また……バーベキュー…するナリ……」
荒れた息でYOを抱えあげる
はやくパーティーを始めなければ。『夏休みの宿題』は待ってくれない。

日も暮れセミも既に地を這っていた。夏休みの終わりが明瞭に近づいている。