2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/08/17(水) 10:08:46 ID:H9ohj.HA
少女が目を覚ましたのは、狭い地下室の中だった。
明るい部屋。冷たい石の壁。
次に少女が気付いたことは、自分を襲う束縛感の正体。彼女は手足の自由を封じられていた。黒いバンド、としか彼女は知らなかったそれに。
ここはどこ、なんで、と少女はうつらうつらとした頭を働かせる。
確か自分は帰り道に、弁護士のKとかいう知らないおじさんに話し掛けられて…とまで思い当たったところで、その知らないおじさんは部屋に一つしかない扉から現れた。
Kは薄い唇を捻じ上げて微笑んでいた。
誰、何、そんな少女の必死の疑問に彼は応えない。黙って結束された彼女を眺めている。
粘ついた視線が少女の上を這うごとに、幼いながらも少女は嫌気を感じ身をよがらせた。
それを見る鼻息が荒い。太っていている彼は、足どりゆるやかに歩み寄る。
そのまま彼は少女に近づくと、服の上からゆっくりと丸い指で肢体を撫で上げる。初めての経験に少女は恐怖からか、あるいは衝撃からか、声を出すことができない。
最初は右肩に。そこからツツ、と上がって首筋に。耳の裏と首筋を往復するように撫でると、少し下がって鎖骨に…
その時少女はやっと声が出たというふうに、イヤ、と短い悲鳴をあげる。すると、彼の手は止まった。
少女の肢体に夢中になっていた視線が、彼女の目を捉える。
次の瞬間、彼の平手が飛んできて、バチンと少女の頬をぶった。痛さと驚きで言葉を飲んだ彼女に、別の何かを吐き出させようとでもしたのだろうか。間をおかずに、彼女の腹に拳が入る。
小さく柔らかい、幼い腹部に彼の腕が突き刺さる。目を大きく見開き、口は自然と開く。そこから、ハァッ、と意図せず甘くなる吐息が逃げていく。
内臓がせりあがり、一時の呼吸困難に陥った少女が再び空気を取り戻した時にあったのは、純粋な恐怖だった。
Kの股間が膨れ上がっている理由を、彼女はまだわからない。