「ロイヤー旅行記」 (25)

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1 - 3レス 2016/08/14(日) 02:15:45 ID:F7guqU62

あの不思議な国を知ってるかって?
知ってる。知ってるよ。僕は直接体験したこともあるしね。君は行ったことないだろう?僕はあるよ。
……え、気になるかい?

まず僕が誰かって?まあ初対面だもんね…
「私はいろいろ不思議な国を旅行して、さまざまの珍しいことを見てきた者です。名前は……」
いや、いや、いいじゃないか、堅苦しい挨拶は。名前なんて無くてもいい。むしろない時の方がいい時だってある。

まあそんなわけで色々な国を旅行した僕だけど、そんな中でも、やっぱりとても不思議な所だったよ、あの国は。
あれは僕が船医としてボロボロの船に乗り込んだ時かな。その船が遭難してしまってね。僕はとても汚らしい、不愉快な島で過ごさざるをえなかったんだ。
その島は、狭くて標高が高い島だった。
それにも関わらず人が一杯いたものだから、漂流者の僕はたちまち見つかってしまったんだ。最も、攻撃されることもなく、助けられることもなかったから見つからなくても変わらなかったけどね。(住民は全員嫌な奴だったけど、野蛮じゃなかったのが幸いだったね。)

数日ぶらぶらしながら過ごしていた僕だけど、とても不思議な国だってことがわかったんだ。(後でそれを記録しようとしたら、手帳を破かれカメラを壊され、散々な目にあったよ。自分達は記録したい放題だったのにね。そんなわけで、僕は話をすることしかできない。ごめんね。)
まずおかしなことだったのが、多くの人が住んでいるのに、一部の人間が広い農地を持っていて、他の人々は皆狭い農地でやりくりしてるってことだ。かわいそうだよね。
ついでおかしなことは、狭い農地の人も広い農地の人も、みんなお金持ちだったってことさ。どいつもこいつも真面目な顔して、貰えるものは貰ってるってわけ。笑っちゃうよね。
でもね、一番おかしなことは…彼らの金銭の源である、果物や農作物達が喋ることだった。