2 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/08/13(土) 00:14:59 ID:PPvOuA4o
現れた神は、期待していたよりも普通であり、予想通りの荘厳さを伴っていた。
やはりギリシャの神だろうか。彫りの深い女が天秤の上に現れる。
「私を呼び出したのはお前か」
唐澤はあっけにとられて見ていたが、頭の中に響く声に神経を跳ねさせた。
「司法の神に何の用か」
本当に司法の神なのか。驚いた。もっと聞きたいことが彼には数多くあったが、口をついて出てきてしまったのは日頃からの願望であった。
「と、当職を、私を絶対に裁判に勝てるようにしてっほしい」
言い切って瞬きをしたあと、司法の神は消えていた。
よかろう、たやすいことだ…そう言っていたような気もする。
明日は裁判だ。久しぶりの勝利に向けた願掛け程度と考えてもいいだろう。
だめでもともとである。
彼は高鳴る胸を無理に沈めて眠りについた。