1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/08/11(木) 21:24:57 ID:4El3D8uc
いい加減誹謗中傷にも慣れてきた。だが、疲れは溜まるようだ。しかも、単なる誹謗中傷ではなく、はては命まで狙われているかもしれないほどなのだ。疲れも溜まるというものだろう。
それともこれは、単に仕事によるものだろうか。
唐澤は疲れたといった様子でいつもの店に向かった。
彼は弁護士である。ビルにバーやホテルもある、大きなビルに事務所を構える大物だ。
ところが数年前に一人の青年の弁護をしたせいで、炎上にさらされている。
その炎上とは…よそう、よそう、といったように彼は頭を振る。
気付けば席についていた。注文を取りたいところだが、どうも今日は鬱々としている。
これはストレスだろうか。
「あの…すいません。ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか。」
そこに一人の青年がやってきた。
席はまだ空いている。釈然としなかったが、無言で首を縦に振った。
「すいませんね。何かお困りのようでしたが。」
しばらく間を置いて、えっ、と唐澤は反応した。この手の相席では無言が普通である。