13 - 続き3 2016/06/28(火) 14:50:54 ID:xyJ1PkrA
迫り来る快楽に必要以上の反応を見せないよう努めた。彼は僕を面白がっているに違いないのだから。
「ちょっと、静かすぎて盛り上がんないじゃないっすか。気持ちいいんでしょ? 女の子みたいに喘いでみてくださいよ」
「断る」
「あっそ」
やにわに彼は、左手の指を僕の口に突っ込んできた。親指で唇を触り、舌を弄り回された。唾液が溢れる。
やっぱやめた、と言い、アナルに入っていた指が引き抜かれる。飽きたのかもしれないと安堵したのは束の間で、彼は勃起したそれを僕の中に挿入した。ローションのおかげで痛みは少ない。それどころかしっかり解されたせいで昨日の数倍の快楽が襲いかかってきた。
「気持ちよくなってくれないなら俺が気持ちよくなるしかないっすね」
頭がぼうっとして、なにを言われているのか分からない。早く終わってくれよと念じながら目を閉じた。もうどうでもいい。
が、ドアフォンの音で我に返る。からさんが、来てしまった。
「おはようナリ〜」
あからさまに動揺してしまう僕を見下ろして、山岡さんの彼氏だぜ、と男は笑顔を見せた。
「誰もいないナリか? 遅いナリ。もう二人は何してるナリか」
からさんの独り言を聞いた男が僕の耳元に顔を近づけ、「セックスですね」と言った。顔が熱くなる。
そして、寝室のドアがノックされた。最悪だ。
「山岡くん、朝ナリよー。起きるナリ」
からさんどうかこの場所を離れてください。ドア一枚挟んで、僕が他の男と繋がっているなんて耐えられない。男の身体を押し、中断するよう懇願した。聞き入れられるわけがなかった。それどころか激しくピストンをされ、競り上がる快楽と羞恥にあっけなく射精をしてしまった。男は声を抑えて笑っている。殺してやる。僕は呟いた。
「……あ?」
「お前を殺してやるって言ってんだよ。聞こえないのか」
男はまた顔の半分を歪ませ笑った。
「あんた最高だよ」
部屋の外から、またからさんの独り言が聞こえた。
「アイスとけちゃってるナリ」
からさんは確かにそう言った。