親のすねかじり虫 (13)

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4 - 4/5 (sage) 2016/06/20(月) 05:35:16 ID:0dgomoPw

「痛っ!T!もっと優しく…」

Hは顔をしかめながらつぶやくが、Tはお構いなしにギリギリと筋肉を収縮させる。
気が付けばほとんどの歯がHの肉に入り込んでいた。
だがまだ足りない。スネは肉だけで構成されるわけではない。骨もまたスネである。
スネは二本の骨で構成されるが、Tが狙うのは脛骨、つまり“弁慶の泣き所”だ。
骨を噛み砕くのは容易ではないが、この時のTは体の奥底から無限に力が湧いてくるような感覚に満たされていた。
今の当職なら、もっと奥までかじれる。
一心不乱に力を込めていくと、次第にミシミシと軋むような音が鳴り始め、Tの口が閉じられていく。

「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」

けたたましい絶叫が辺りに響き、Hの尻穴からニラとコーン混じりの茶色い粘液が音を立てて溢れ出る。
外からはバタバタと誰かが駆けつける音が聞こえ、ドアを叩き始める。
おそらく悲鳴を聞いたY岡とY本だろう。
しかしながら、“オヤノスネカジリムシ”への変化を始めたTには最早音など何ら意味を持たない。
彼の世界に存在しているのは自身と親のスネだけであって、それ以外は存在していないに等しい。
Tの筋肉が、脳が、細胞が、魂が、“親のスネをかじる”というたった一つの目的のために動く。
自らの存在全てが、親のスネをかじっているのである。

ぱきっ

何かが砕ける音が聞こえ、それと同時に、Tの口が完全に閉じられた。
彼は、“オヤノスネカジリムシ“になったのであった。