2 - 2 (sage) 2016/04/22(金) 15:12:24 ID:nB.kSfOY
次の日亮太は家族の白い目に晒されながら学校に行った。今まで仲良くつるんでいた友人達がニヤニヤしながらこっ
ちを指差す。女子がぶつかりそうになり露骨に避ける。
「なんでこんなことになったんや…」そうつぶやきながら家に帰る。
あれだけ人生を賭けていたなんJに目を通す気にもなれず。もうパソコンをつけようとも思わなかった。
ベッドにうつぶせになり亮太は昨日の夜の事を考えていた。昨日の奴、今日もこんよな…?そう考えていると深夜を
周り、そろそろ眠ろうと考えていたときにまたあの音がした
コンコン…
昨日の奴だ!直感で気づいた亮太は親を呼ぼうとも考えたが、また昨日のように怒られるのがオチだと悟った。
つまりこの夜の闖入者に自分独りで対処しなければならないということだった。
おそるおそる階段を降り、ドアスコープを覗く、奴だ。昨日の奴がまた来たんだ。
コンコン…ドアをノックされ思わずのけぞる。もう一度覗くと全く動いた様子もない。
その後何度も行われるノックに怯えながら恐怖の客について調べたのだが、いくつかの事に気がついた。
まず全身真っ黒だと思っていたものだがどうやら暗闇でそう見えただけで、紫のぼろぼろのスーツを着ていて胸には鈍く輝く金属片があった。
またどうやら人ではなく案山子のようで、つんつんとわらのようなものが逆立ち、顔には穴が空いていた。そして案山子の後ろに何か肌色が見えた。
つまりだれかが案山子を持ってきて案山子を毎晩ドアに当てているのだ。
常人なら間違いなく奇人や変質者のそれと考えるが、長谷川亮太はなんJ民の陰湿な嫌がらせだと感じた。
我慢…我慢ゴ…無視してたらいなくなる…そんな考え事をしながらドアスコープをいると、虫の声に混じってなにやら低い陰気な調子の囁きが聞こえてきた。
「…の…です、ひぼ…おあなたの…す」
その日は恐ろしくなって部屋に帰り、震えて眠った。