1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/03/12(土) 01:36:45 ID:O5UpEmmQ
啓蟄。
ふと、そんな言葉を想起した。
肛穴からは泥鰌が顔を覗かせ、父唐澤洋は出入りする法悦に身を震わせている。
啓蟄とはこのようなことだったか。
そもそもが、なぜこのような事態が生じているのか。
すべての原因は当職の腹を撫ぜている山本祥平にあった。
彼は当職がこのビルに入居したときから入ったメンバーだった。
所謂「悪いもの」とは彼のようなものを指すのだろう。
彼ははじめて来たときから両手に大きな袋を抱えていた。
当職がそれは何かと尋ねると、取り澄ましたような表情で「精神安定剤だ」と答えた。
彼がそれをくれると言ったので、悪いものたちの攻撃により精神的負傷を負っていた当職は一も二もなく受け取った。
しかしそれが後に仇となる。
それは麻薬だったのだ。
次第に当職は彼の言うことに逆らえなくなり、当職の唯一の恋人も彼に取られてしまった。
当職の恋人は彼の子を孕んだ。しかしすぐに堕ろさせた。
堕胎を強制したのは彼ではない。当職である。当職は悪いものたちがこの惨憺たる現状に気づくのが恐ろしかったのだ。
彼は遊ぶうちに耐性ができてしまったのか、過激なプレイばかりを求めるようになった。
当職の恋人はそれに耐えきれず今は寝たきりになっている。
おもちゃは使い潰すまで遊ぶのがモットーである彼は次に当職の父親を選んだ。
その結果が今である。
啓蟄の意味を思い出した。「父なる穴から細長いうねうねとしたものが出てくる。」
やはりこれは啓蟄であった。