2 - 2/5 (sage) 2016/02/08(月) 12:13:21 ID:iV8j0tQs
ビルを出ると、外の光景はこれまたうつくしい!
見たまえ、そこかしこで降り積もり、まだ溶けない雪の結晶たちがキラキラと輝いているではないか!
静かに輝く冬の太陽、細い女性の腕に浮き上がるごとき静脈のような青をした空、そしてそこにぽっかりと浮かんだ雲、何にでも形を見出すことのできる雲!
――Yくん、きみにはあの雲は何に見えるかね?
――僕にはバニラ・アイスクリィムのように見えます。ほら、Sで売ってるあれですよ。
――ははあ、それはうつくしい! 実を言うとだね、当職には先ほどからあの雲が、女子小学生のふくらみかけの乳房に見えて仕方がないのだよ!
もしかするとその原因には、以前東南アジア某国で購入した女児の存在が影響しているのかもしれんがね!
――非常に面白い観点ですね。
つまりあの雲というものは形を持たずしてあすこに存在しており、その識別というものは僕ら個々の裁量にゆだねられているというわけだ!
――うつくしい!
2人は感極まって叫ぶ。
2人の声帯がぴりぴりと震え、その振動によって生み出された無能ヴォイスと有能ヴォイス、それらは絡まり合ってT門中をめぐりまわるのだ!
きっとそれはあらゆる性行為よりも密接かつ粘着質な絡まりに違いなく、Yが絶頂にいたるのとほぼ等しい音速すなわち360m毎秒で、この世界を旅しようとしているのだ!
――ああ、なんとしたことか!
それに気づいたKは、歓喜のあまりまたうめき声をあげずにはいられない。
この優しい世界をまっさきに旅するのは、ヒカリにつづいてこのうめき声にちがいないのだ!