1 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/01/30(土) 17:55:46 ID:Av5f203M
唐澤の国中央慰安所、ここは名前だけは聞こえがいいが、特にこれといって建物は無く、大きめの運動場の周りを電流を流した鉄条網や塀で囲って門を付けただけの施設である。
その門の前には数キロに及ぶ長蛇の列が出来ていた。 列をなす精強なる帝国陸軍兵士たちはまるでヒロポンでも打ったかのように目を輝かせ、「その時」を待っていた。
兵だけではない。 下士官も、将官も分け隔てなく整然と並んでいる。 陸軍だけではない。 セイラーや陸戦隊、航空隊の人間も混ざっていた。
「列先頭より二百名ごとに中隊を分け、この中隊ごとに慰安が行われる、良いか、与えられた中隊番号を忘れるなよ」
慰安所を取り仕切る将校が声を張り上げ説明する。
兵士達は、はいはい分かってますよ、というニヤケ顔でハイと返事をする。 将校もその態度を咎めることはない。
ここは苦しい軍隊生活の中でも至高の娯楽を味わえる場所だった。 少しの無礼講は許そう、という寛大な配慮である。
「第一中隊、慰安所内に入り各自脱衣せよ、その後点呼を取り定位置に付け」
上官の指揮に従い、中隊員は軍靴の足音を響かせ慰安所の中に入っていった。