9 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/01/28(木) 01:13:25 ID:8Ffg0c6c
日は暮れた。街灯が付いた。昼間に付けていたいくつかの灯りでほの暗い部屋の中で永遠に続くかのように、少なくとも僕はそのように思っていた僕と上司との見つめあいはある言葉で終わりを迎えた。
「うんち」
僕は鼓膜から脳にその言葉が信号として送られるよりも早くその音に反応していたかも知れない。デスクの奥、少し離れたところにいる僕の上司であるKT氏の父親H氏がこちらを見据えて言ったのだ。「うんち」を。「うんち」と言葉を発したのだ。その言葉は間違いなく僕の鼓膜を揺らすために放たれていた。
うんちとは?
なぜ僕に?どうして2人が?
どのようにしろと言うのか?うんちを食べたいのか?うんちを飾りたいのか?
うんちを見たいのだろうか。うんちが少しだけ漏れているのかも知れない。うんちが何だと言うんだ?小学生か僕は。うんちが頭を巡る。うんち。うんち。なぜうんち?どうして僕に?うんちとは?消化器官とは?どうしてうんちを昼に食べるのか?ピーナッツを食べたらうんちにピーナッツの香りは残るのだろうか?そもそもなぜうんちにすらピーナッツを入れたくないのか?ピーナッツのトラウマ?トラウマ?中学時代?漏らしたら?うんち。その言葉が求めるのは?うんち。うんち。うんち。うんち。うんち。うんち。うんち。
とうに日付が変わった頃、僕はとうとう呟いた。
「うんち」