カラドックスとたわむれる (56)

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7 - 7/8 (sage) 2016/01/25(月) 00:08:33 ID:x6x6OrKc

 カラクリ工場は少しだけ暇になった。
 最近では新兵器「ジムバク」「カラナメ」というものを利用する軍人が増えたらしい。
 カラナメを発明した男は殉死してしまったらしいが、彼の遺した武器は利用され続ける。それはすこしだけ僕の気分を明るくした。
 それでもやはり、神聖六文字が基本なのだそうだ。

「神聖六文字も使いこなせないやつには、他の武器は使えないさ」と上司は言った。「あらゆる道はここに通じるんだ」
「内紛もですか」と僕はたずねた。
「そうさ」、上司はうなずいた。「結局行きつく先はここなんだ。東の国を倒せば、すべて丸く収まるのさ」
 本当かな、と僕は思ったが、言わないでおいた。
 前にそういったことを言った奴が、裏通りの店に連れていかれるのを見たからだ。

「本当に倒せますかね」と代わりに僕は言った。自信なさげに。
「あるいは倒す必要はないかもな」と上司は言った。「きみはどう思う?」
「……わからないです」と僕はおそるおそるこたえた。
「みんなわかっちゃいないのさ」、上司は笑うと僕の背中を叩いた。