2 - 2/6 (sage) 2016/01/23(土) 15:32:00 ID:8W8z/Ra6
「何です、いきなり大きな声出して」
やって来たインテリデブ専ホモは、俺が指したプルプルボギー(便宜上今名付けた)を見ると、「ああ」と合点のいったように肩をすくめる。
「大丈夫ですよ。それ、いつものことですから」
いつも?
耳を疑う。一緒に働いたのは10日ほどではあったが、いくらコピーできない無能とはいえこんな様子はついぞ見たことがない。
その点を指摘するとYは、「まあ、もうちょっとで終わりますよ」などと非常に軽い口調で言う。
終わる?
何がだ?
思いつつも固唾をのんで見守っていると、プルプルボギーの動きが突然止まった。
パカッ。
なんとも間の抜けた擬音とともに、なんとプルボギ(長いので便宜上略す)は2つにわかれたのだ。
いやここでの《わかれた》というのは、さけるチーズみたいに真っ二つになった、という意味ではない。
俺の眼前には、ボギー1が2人、存在しているのだ。いやいや、俺の目は確かだし、まだぼけるような歳じゃない。1人だったボギー1が、突如として2人になったのだ。
――プラナリアかな、あれ。
なんともアホなことを一瞬考えた俺は、「おい、どういうことだ。説明しろ」と傍らのYに言う。
「ええ……説明しろと言われても」
Yは困惑した口調で言う。別に俺は空が青い理由だとかポストが赤い理由だとかたずねたわけじゃないのだから、そんな顔をするな。
「あれはただの細胞分裂ですよ」
ねえよ。