5 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2015/12/28(月) 19:06:45 ID:kn/nM4M.
恐ろしい光景だった。
先程の家畜人間達が成している列の先頭で、青年が牛刀を持って彼らの四股を眠たそうに切り落としている。
途方に暮れていると、洋が私の方を向いて語り掛けてくる。
最早私にはこのバケモノの顔が、顔のついた口にしか見えない。
「この家畜達は四股を切断しても1週間生き続ける。
消費者が新鮮な肉を調理し食べられるように、このような方法で生きたまま出荷するんだ。」
なんと非道な。文明社会への挑戦じゃないか。
また洋が話し始めたので、私は露骨に嫌な顔をしてみた。
「なあに、すぐに慣れるさ。山岡くんと共に、君にもこの四股切断作業をお願いするから」
この時初めて新人労農者が、一人の反抗者に変わった。
「こ、これ、酷くないですか?」
洋は私の言葉を何と聴いたのか、嬉しそうに答えた。