マツド・マッド・シンドローム (39)

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4 - 4/6 (sage) 2015/11/04(水) 23:09:24 ID:XYJ5KY/Q

 パカデブは任意同行という名の強制連行により置物のように拉致され、極秘施設内で生態に関する調査、および聞き取りが徹底的におこなわれた。
「パカデブ、君を狙う悪いものがいるかもしれないから、今は君をこう呼ばせてもらう。年齢は?」
「永遠のティーンエイジャーナリよ」
 年齢37歳。
「仕事は何を?」
「弁護士ナリ。このバッヂが見えないナリか」
 職業、弁護士(ただし無能)。
 T門の一角で父親と同僚と共に事務所を開いており、でも意外と業務には影響ないですよね、実は。太り過ぎではあるが、健康状態は良好。顔は大きくぽっちゃりとしている。ケツ毛が濃い。
「パカデブ、きみはどうして例のM病にかからないんだろう?」
「知らんナリ。さっさと家に帰せナリ」
 性格は少々難有。あまり調査に協力的ではない。MM症候群ほどではないにせよ、自己中心的な部分が見受けられる。
「パカデブ、ぶしつけな質問ですまないが、きみの性的嗜好をたずねておきたい」
「ロリとホモ。ハタチ越えた女には興味ないナリ、そこまで行くと男のほうがおいしいナリ」
 性的嗜好は――かなり特殊。エド・ゲインも真っ青だ。
 どうにかこうにかしてパカデブの現在の恋人Yを聞き出した医師団は、彼の健康状態をチェックし驚いた。
 なんと彼もMM症候群にかかっていないのだ。
 この時点で都民の94パーセントがM病に感染していることを考えると、なんらかのパカデブによる効果があるのかもしれない。 
「Yさん、プライベートに踏み込む質問をしてすまないが、普段パカデブとはどのような関係で」
「こ、恋人ですけど……」
「我々が聞きたいのはもっと踏み込んだことなんです、Yさん。具体的に聞きましょう、性交はなさりますか」
「え? え、ええそりゃ、いちおう……」
「アヌスを使用した肛門性交ですか」
「は、はい」
「どちらがタチ、つまり挿入なさることが多いですか」
「ええっと、僕ですけど」
「パカデブはトコロテンですか」
「いえ」
「ではあなたは彼を射精に導くため口淫、いわゆるフェラチオのようなオーラル・セックスをなさるのでしょうか」
「え、ええと……」
「Yさんお願いです、おこたえください。人類の存亡がかかっているのです、あなたには答える義務がある」
 男はもじもじとしつつも小さくうなずいた。
 研究者たちは顔を見合わせる。
「パカデブの陰茎の調査が必要だ」