3 - 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2015/10/15(木) 00:29:02 ID:vDcoa3A6
3.
「――ッ!」
声にならない悲鳴が、Kの口から漏れる。
Yは事務所の奥へ消えたかと思うと、見たことも無いような器具を手に戻ってきた。
「初めて見るよね? 拘束具のひとつなんだ。これで、今から、きみの股を裂く」
Yは無表情のままKを拘束具に縛り付ける。両手を上に、万歳のような格好で。
「Y、なんでこんなことしてるナリか!? 当職は恋人ナリよ!?」
Kの訴えを黙殺し、Yは淡々と、作業を進めていく。
「先ほど魔女狩りについて話したよね。これもそのひとつさ。T、きみは両手両足を拘束される。
この拘束具は上下左右に180度ずつ動くようにできていて、ボルトで調整できるようになっているんだよ」
「そ、そんな説明聞きたくないナリ!」
Kをその器具に取り付けると、Yは満足げにその姿を眺める。
「今、きみは万歳の体勢を取っているだろう? ぴったりと閉じた両足は-90°の状態なんだ。それがこれから、-80°になり、-70°となっていくわけさ。
安心してくれ、初めは痛みなんてない。恐怖くらいなものだよ。……もっとも、いつからそれが痛覚に変わるかは、きみ次第だけどね」
Yがウィンクを飛ばす。
「へ、変態! キチガイ! Y、お前は狂ってる! 狂ってるナリ!」
「そのとおり、僕は狂っている。だからやめない。
きみがどれだけ泣き叫ぼうとも、きみの股関節の腱がちぎれようと、僕はやめない。
ふふ、きみの内出血によって青くなった両足を見て、僕は射精しそうになるかもしれないね」
「なんで! なんで当職ナリか! なんで当職がこんな目に!」
「きまってるじゃないか」
拘束器具のスイッチを手にしたYが無表情に言う。
「きみを愛しているし、その愛を100パーセントなものへと昇華させたいからさ」
キィ、と音がし、両足がわずかに開かれる。
「やめて、やめてナリ!」
「やめない」
キィ、さらに足が開かれる。
さらに、さらに、さらに。
「……普段から思っていたんだけど、きみは案外体が柔らかいね」
Yが言う。
「ぁぁあああああああああああああああ……」
Kはもう泣き叫ぶしかない。
漏れた小便が器具の下に黄色い水たまりをつくり、アンモニアの臭いが鼻をつく。
「もう少しいけるかな」
キィ。
……ぷつり。
「あ、腱が切れちゃった」
Yが言いながらもさらにスイッチを押す。
ぷち、ぷち、ぶちぶちぶち。
「―――――!!!!」
「そんなに泣くなよ、T。僕はここにいる。……さて、そろそろかな。脱臼と洒落込もうか」
「や、やめて……」
「やめない」
キィ。瞬間、鈍い感触がKの両足の付け根を襲う。
「へえ、意外ときれいに外れたな。これなら後で治せそうだ」
Kの意識は再び途絶えた。