台風一家 (8)

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3 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/10/09(木) 21:22:15 ID:7BH/OhKo


そうして全てが消えた頃、東の空はすでに明るくなっていた。あの暴れ様が嘘だったかの様に、風は緩やかに吹き、海は穏やかに凪いでいる。その水平線からは、老人が顔を覗かせていた。老人は探る様に両の目玉を神経質にせわしなく動かし、やがて安心したかの様に誰もいない世界へ身を乗り出した。
途端、世界が明るくなっていく。まるで後光の様に揺らめく老人のもみあげが、動くものの無い世界を照らしていく。老人は暖かな陽気にほのかに湯気を立てるトロトロチンポを右の拳で無遠慮に掴むとそれをガッツポーズをするかの様に引っ張り上げて念入りにしごいて金切り声をあげる。
老人は泣いていた。悲しみに顎を震わせながら、しかしそれ以上の喜びに身を浸していた。
何度繰り返せば良いのか。何度悲しめば良いのか。しかしそれでも、彼は忘れられないのだ。誕生の喜びを。
産めよ増えよ地に満ちよ、そう老人は叫び声を上げると、再びそのチンポの先から発射した生命のスープを海面に走らせるのであった。