6 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/30(水) 22:43:16 ID:9WV4Ffm.
「嫌だ…まだ死にたくないナリ…」
男は譫言のようにそう言い続けた。列車は一定の速度で歩みを進める。いくら弁護士だろうがSFC出身だろうが、この運命はどうすることもできなかった。
夜の帳は降りた。無機質な蛍光灯の灯りが、冷たく男を照らしている。列車は次第に速度を下げ始めた。男は、遂に自分の生命が終わりを告げることを悟った。
「あ……ああ………」
駅の先端が見えた。一秒がまるで無限のように感じる。終わってほしくない。まだ当職は死にたくない。おいしい物を食べて幼女を犯して過ごしたい。
生きたい――
金属が擦れる音が聞こえ、列車が前に傾く。ゴトン、という音と共に、列車は完全に停車した。空気が大きく抜け、ドアが開く。冷たい空気が流れ込んだ。
「嫌だ!当職は生きるナリ!降りないナリよ!早く折り返すナリ!早くするナリ!!!!!」
男は頑なに降車を拒んだ。どっしりと大きな尻を置き、梃子でも動かない覚悟のようである。すると、唐突に運転席の扉が開き、運転手らしき男が男に近付く。
顔を上げるなり運転手を睨む男。運転手は、静かにこう告げた。
「お客さん、終点です。」
「嫌だ嫌だ!死にたくない!死にたくない!当職は死なない!死なない!当職は弁護士ナリよ!弁護士!弁護士!弁護士弁護士弁護士!あいつらとは違うナリィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!」