人との出会いに感謝 (14)

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5 - 名前が出りゅ!出りゅよ! 2014/07/30(水) 22:42:40 ID:9WV4Ffm.

いよいよ列車に乗っているのは男だけである。男は、ここまで自分の身に起こった数々の奇妙な現象について考察をしていた。
そして、ある事実に行き着いた。その事実に気付いた途端、男の顔は急に青ざめた。男は全て気づいてしまった。乗客の正体、そして列車がどこへ向かうのかも。
最初に降りた女性は、当職の母親であった。だから当職はあの女性に対して執着するような感情を起こしたのだ。当職の母は、生まれて間もなくこの世を去った。
次に降りた学生は、当職の弟だ。いけ好かない野郎だった。弟は地元の悪いものたちに集団暴行を受けた後自殺した。いい気味だ。
その次に降りた初老の男性はよくわからないが、恐らく当職の遠い親戚だ。何年か前に事件を起こしてその後自殺したと聞いたことがある。
その次に降りた学生は、当職に対し不遜にも殺害予告をした奴だ。最後の女は当職に逆らって勝訴した弁護士だ。どちらも当職が手を下した連中である。
この列車は、死人を乗せる列車。それも当職に関わりのある人間のみを乗せた列車だ。一つ駅に着くたびに、一人の人間が降り、人生の終わりを迎える。
そして、最後に乗っているのは当職――